三谷幸喜監督の新作映画のタイトルが『ステキな金縛り』と聞いた時
ちょっと狙いすぎで、あざといなぁと思った。
タイトルの候補には『ワンダフルナイト』というのもあって
スタッフからは圧倒的にこっちの方が支持されていたのに
三谷さんの独断で『ステキな金縛り』にしたのだそうだ。
最初は僕も『ワンダフルナイト』の方がいいと思っていたけど
タイトル発表から数か月が経って
不思議と『ステキな金縛り』の方がいいと思えてきた。
『ワンダフルナイト』って、在り来たりだけど
『ステキな金縛り』にはすごいオリジナリティがあるもんね。
タイトルのインパクトって大事だ。
んで、映画なんだけど…
前作『マジックアワー』の「これでもか」というくらいの
笑いの量に比べると今作はかなり控えめだ。
それよりもハートウォーミングないい話だった。
幽霊がハーモニカでコミュニケーションを取るというのは
舞台『天国から北へ3キロ(1989年)』でも使った手法だが
今回はそれを使って裁判で証言するというのが面白い。
とにかく深津絵里がなんともかわいくて愛らしい。
『マジックアワー』、『ベッジ・パードン』、『ステキな金縛り』と
三谷作品は3本目。
全く違う役柄なのに、彼女が演じると
全て魅力的になってしまう。
逆に、竹内結子はちょっと損な役で可哀想かな。
山本耕史は悪役だけど美味しい。
あと阿部寛は三谷作品初登場と思われがちだが
ドラマ『総務課長戦場を行く!(1994年放送)』に出演している。
なぜか、阿部寛の公式ホームページの経歴にも
記載されていないのだけど…。