毎日猛暑日が続くこの季節 東山動植物園では6月に産まれたアジアゾウの赤ちゃんが大人気です 母親のアヌラと姉のさくらとともに元気いっぱいな姿で人々を笑顔にしています そんな東山動植物園で、40年以上にわたって人々を楽しませ、たくさんの笑顔を生み出してきた大きな大きなゾウが、2年前の今日、推定46歳の生涯に幕を閉じました それが、サバンナゾウのケニーです 

 今回はそんなケニーの歴史や思い出をご紹介します 文章メインになってしまいますがもしよければご覧ください

    ケニーの歴史

 ケニーはメスのサバンナゾウです アフリカゾウとも呼ばれています 推定1973年にケニアで生まれました ケニーという名前はここから来ていると思います その後、1975年11月10日に東山動植物園にやって来ました 東山には当時、1967年に来園したサンブー(オス 1963〜1981)とマルサ(メス 1963〜2003)が暮らしており、マルサはケニーにとってお姉さんのような存在でした その後、1983年3月14日に南紀白浜アドベンチャーワールドからチー(オス 1975〜2009)が来園 マルサとは28年間、チーとは26年間一緒に暮らしました 頼りにしていたマルサが亡くなったときにはショックを受け調子を崩していたようです

チーとは繁殖も期待されましたが、子どもができることはなく、2009年からは一人暮らしでした その後11年の間、ケニーは東山唯一のアフリカゾウとして人々に愛されました 大きく体調を崩すこともなく健康に暮らしていましたが、2020年8月10日の朝から食欲が無くなり、正午頃に一度食欲が戻ったものの、16時に横臥してそのまま息を引き取りました 死因は急性腹膜炎 歴代のアフリカゾウでは最長の45年間を東山で暮らしました 

     ケニーとの思い出

 ケニーと最初に出会ったのは2006年 それから毎回東山に行くたびにゾウ舎に立ち寄り、ケニーに挨拶をするのが楽しみでした ケニーは自由気ままに餌を食べたり歩き回ったり、でも時々こちらに視線を向けてくれることもありました 晩年はゾウの中でも高齢になり、彼女の姿を見るたびに、また会えたことが嬉しかったです 一度「アフリカゾウにおやつをあげよう」にも参加し、ケニーの迫力に圧倒されながらも、人懐っこいケニーの優しい顔が印象的でした

 最後に、ケニーはおそらく東山の歴史で最後のアフリカゾウになります アフリカゾウは国内では減少の一途を辿っており、この先ずっと国内で会うことができるとは限りません それだけにケニーに会えたことは本当に意味のあることだと思います アフリカゾウという素晴らしい動物のことを数多くの人々に伝え、ゾウが好きになる、動物園が好きになるきっかけをたくさん作り出してくれました あの大きな獣舎がいつか取り壊されても、ケニーたち歴代のアフリカゾウが暮らした記憶がどこかに残ってくれたら嬉しいです 嬉しそうにおやつを貰ってくれたケニー 飼育員さんに花を摘んできてプレゼントしたケニーと出会えて本当によかったです ありがとう


今もそのまま残されているアフリカゾウ舎

寝室 ケニーはよく柵に鼻をかけてこちらを見ていました
アフリカゾウ舎の壁画 真ん中にいるのはもちろんケニーです
最後に会ったときのケニー 亡くなる1ヶ月前でした

今回のブログは以上です 文章が長くて読みづらいものになってしまいましたが、東山をずっと支えてくれたケニーの思い出を、あらためて振り返る良い機会になりました 今日はいつもよりケニーを思い出してくれる人が少しでも多かったら嬉しいです 最後まで読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m