無我夢中で旅から旅へ。
打算もなく自分の魂を取り戻すために駆け抜けた。
地に足を着けて。
山を谷を草原を、洞窟の先、一線の光を頼りに進んだ。
怖くはなかった。
行く先々に、求めるものはみつからなくても素晴らしい物語りが待っていた。
あの百年を超える旅が、まさしく生きていた時代。
普通の人間に生まれながら失われた寿命。
ただ駆け抜けた。仲間はそのたびに変わることもあったが、最後まで共に戦った者たちは変わらなかった。
やがて魂より大きなものを失った。
人は行動と共に心でも生きている。
富も名声も戦果も。
宝石の塊を鷲掴みにした瞬間に石ころに変わった、そんな思いにかられたあのとき。
自分だけは永久に生きると決めた。
叶うはずの願いは他の仲間のために使った。
後悔していないと言えば嘘になるのか。
それでも変わらず大地を駆けている。
旅から旅へ。
どんなに追いかけても、もう戻らない女への恋慕を抱えて。
*そろそろ本編です