民事訴訟で真実が明らかになるのか
民事裁判ってそういうことなんだ
示談が決裂、訴訟を決めた。
私は、一切の経緯説明をしない被告病院を不誠実で倫理観が欠如している思っているし、怒っている。その覚悟を示すため地方裁判所付き記者クラブで会見した。
でもその会見の最中に、突然、(民事訴訟ってこういうことか)と腑に落ちたのだ。
私はこれまで父に起こったことの事実と、それが何故起こったのかを知りたかった。
それがわからない限り、父が浮かばれないと思ったし、後悔や悲しみが癒えないと思うからだ。
だけど会見中、記者質問を聞いた時、(訴訟しても真実が明らかになるワケじゃなく、原告が主張する事実や証拠、被告の答弁書を裁判官が裁量するものなんだ)と気付いたのだ。
裁判では、裁判官の自由な心証によって主張に対する認否を判断されるそうで、私が勝訴しても被告病院は罪を問われることはないし、経営に影響はない。しかも医療訴訟の勝訴率(認容率)は22.2%で、裁判官が「和解」提示することが多いと言う。
和解・・・真実がわからないまま「和解」できるのかどうか・・・
真実を知るための方法はあるのか
じゃぁ医療裁判において、真実はどうやって求めたら良いのか。
刑事裁判をすれば、被告病院が罪を犯したかどうかや刑罰の内容を決められるが、訴状を受理されるハードルは高い上、また時間がかかる・・・。
心から真実を知りたいけど、民事裁判の上、刑事裁判となるとかなりの精神的負担になる。(それをされている原告を知っているが、心から尊敬する)
虚偽カルテや、体制が整っていない病院の実態はどこへ訴えればいいのか。
保健所、各市町村の医療問題窓口、いろいろ検索してみたけど、事実を申請し、病院を査定し、勧告してくれるような組織がない。
私が病院相手の訴訟を起こしたことで、多くの方からメールを頂きました。
(ありがとうございます)
こんなに多くの人が医療過誤、ミスで苦しんでいると当事者になりはじめて知りました。
そう書くと、医療従事者の方は、人手不足でコメディカルは身を粉にして働いてるんだ!と言われると思います。それも事実ですし、職場の待遇を考える必要はありますが、劣悪な環境で働いているからって”うっかりミス”や虚偽カルテ記載をして良いワケではありません。
医師には職業倫理の宣誓文「ヒポクラテスの誓い」があり、看護師には「ナイチンゲール誓詞」が存在するように、倫理観は必要です。
真実を知るために、訴訟以外の解決策はないのか。
病院の現状を訴え、改善を促してくれる組織はないのか
そう考えるこの頃です。