高天原叙情詩
無事に終わりましたーー!!
本当に本当にありがとうございます。
ちょっと長くなるかもだけど、色々書いていこうかなと思ってます。
今回の作品は専門学校の時に初めて書いて、その時の仲間で作った作品でした。
私は当時から変わらず、坂本瑠花という女の子を演じました。
あの頃一緒にやっていたメンバーはもう友美しかいなかったし、友美は当時はアンサンブル。
だから気持ちは新作で、でも私にとって再演で。
なんて言うんだろう。むずかしいや。
その時から決めていたことがあります。
それはタカジョをもう一度やること。
そして瑠花をもう一度演じて、役者を終えること。
なので絶対に後悔しないようにやってきました。
もちろん、毎回どの公演も後悔したくないし、しないように頑張ってきたけど。
やっぱり少しだけ、思い入れは違ったかな。
ご存知の方もいると思うんですけど、サイトウヒダカという名義で演出、脚本も担当しています。
だから稽古に役者として参加したのも数回。
シーンを同じくするメンバー、特に黄泉、特に特に久野木くんにはたくさん迷惑をかけたように思います。
でもどのシーンに対しても後悔したくないから、私なりの全力でやったつもりです。
キャスティングも試行錯誤の連続でした。
最早私利私欲で最後に一緒にやりたい人を集めたと言っても過言ではないです。
でもそんな私の最後の舞台に協力してくれたみんな、本当にありがとう。
感謝が止まらない。
瑠花という役は
本当に私に似ています。
私が書いてるんだからって感じだけど、
もう負の権化です。
でもきっと誰でも感じてることでもあると思う。
人に対する劣等感、妬み、期待、色んな感情がぐちゃぐちゃで、喋るたびに違う感情が出る女の子でした。
おかげで一公演やると精神のやられ方が半端なかったです。笑
大好きな友だちの杏に、大好きなのに嫌いって気持ちを隠して、でも気づいたら勝たなきゃって気持ちになって、勝たなきゃってなんで?って思いながら、それを止められなくて
そしてその弱い自分を初めて見せたのが戒でした。
瑠花は杏にはお姉さんぶりたいから、絶対弱音なんて見せてこなかっただろうし、だから初めて人前で泣いたのも戒の前だったんだろうなって思います。
そして自分の汚い部分ごと好きだと言ってくれた戒のことを瑠花はずっと忘れられないんだろうなって思います。
想像すればするほど、たくさん考える。
脚本家として書いてる時は、全体のことを考えてるからぶっちゃけ役個人のことなんてつらつら考えてないです。
だから役者として瑠花の言葉を伝える時、考える時、たくさんのことを想像します。
瑠花ってきっと女の子に嫌われるだろうなーって思ってたけど、ひくほどお客様にも声をかけられなくて寂しい気持ちでした。まる。笑
瑠花の、このままの私がいいって言ってくれる人なんていなかった、というセリフが
本当に自分とシンクロしてしまって、
辛くて辛くて仕方なかった。
でもそのままの自分でいいって最後に伝えてくれた戒のことは、やっぱり忘れられません。
ありがとうの気持ちでいっぱいです。
私、斎藤なぎは
この公演を持って役者を引退します。
絶対やらないってことは言い切れないんだけど、一区切りです。
私の役者としての価値は、きっとそんなになかったでしょう。
最後を見届けてくれる私のお客様も少なかった。
けど見に来てくださった人からもったいないって言ってもらえて、本当に嬉しかったです。
少しでもお客様の心に触れることが出来たなら、それだけでやってきた甲斐があります。
役者という仕事は本当に不安定で、お給料も絶対に出るというわけではない世界です。
チケットを売らないと1円も入ってこなかったり、なんならノルマという形で支払わなければなりません。
それが辛くて辞めていく人もたくさんいるし、それが辛くてのし上がって、お給料が出る人もいます。
役者は人気商売です。
人気がなくなったらそこで終わりです。
私も、芝居は好きだけど、役者では食べていけない。だから今、お給料をもらえてるスタッフという仕事に移るのです。
やっぱり舞台が好きだから、そこからは離れたくなくて。
だから、今自分が応援している俳優さんがいるなら、出来るならチケットを買って、見に行ってあげてください。
その価値がないと判断する時は来るかもしれません。
でも応援してる俳優が、舞台に立ち続けるためには、お客様の力が必要なのです。
だって人気商売だから。
人気がない役者を、舞台製作側は使いません。
これは私の持論だし、そうじゃないって人もいるかもだけど。
少なくとも私は、そう思います。
辛いけど。
でも他の職業では感じられないことがあることも確かです。
今回の作品で、たくさんの愛を感じることができました。
言葉にすることが本当に難しいです。
たくさんたくさん、
ありがとうございました。
ファミリアはまだまだ続けていきます。
また違った物語をお客様に届けられるよう
頑張ってまいります。
もしまた見に来ることがあったら
ぜひ、よろしくお願いします。
この度は本当にありがとうございました。