交差点に何か転がっていた

はじめそれは布切れのように見えた




ピクリとも動かない

じっと見ていると何か動物のぬいぐるみのように見えた

ふわふわの小さな子猫のぬいぐるみ

肉球まで細かく作り込まれている


やがて信号が青になり次々と車が横切っていく


ドンと鈍い音がして

あんなに小さいのに芯がある音がして
思わず目を背けた


ああ本当に子猫だったんだ



信号は変わる
誰も立ち止まらない

何も見なかったように皆動き出す

いつもと同じ夕暮れ

車が巻き上げる生温い風に
濡れた頭部が見えた

さっきの音が
耳について離れない