お金のことで見栄を張ってみても仕方ないなと思う。


まあ、他人に本当のことをいう必要もないのだろうが。本当のことを知られると、私のように、他人にまで金の無心をされたり、泥棒に入られたりしてしまう。



私より稼いでいて、ローンもなくて、それでもサラ金に借りて、数万円の返済が滞り、督促されている人を何人も見た。小口の借金を繰り返す人は、何か大きな買い物したとかじゃなくて、見栄を張って大盤振る舞いしてんじゃないかしら、と思ったりした。AさんもBさんも同じ会社が勤務先だったこともあった。その会社何かあるの?窓口に返しに来たらバッティングすることもあるんじゃないかしら。とか。


私は子供の時から貧乏だった。昔、学級費だのなんだのは集金で、集金袋って書いた封筒で持っていってた。表には金額と名前が書いてあった。母子家庭の手当だかなんだかで、給食費は免除だったから、人に見られるのが恥ずかしかった。その上、母の給料日の関係で、その数千円すら払えず、忘れたフリまでしなければならなかった。修学旅行の金も免除ですから行ってくださいとかも言われた気もする。一旦は払ったけど戻ってきたのだろうか。生活保護を受けると恥だと伯父に言われていたのも知っている。それでも借金したことはなかった。私は、それが当たり前だと思っていた。

本当は友達におもちゃを使われたり貸したりするのも嫌だった。友達の家は私の住むアパート一棟と同じくらいの広さがあり、敷地も同じくらいあった。いわゆる、田舎の、分限者だったのだ。母が、私が友達と比べて惨めな思いをしないようにと、無理して買ってくれてるのはよくわかってた。だから、金持ちは自分で買えばいいじゃないかと…憎く思っていた。私は、浅ましい。



お金は不思議だ。何故一月に何十万も稼いでるのに借金するのだろう。何故時給七百円で生活してその上、数十万、数百万と貯金までできるのだろう。


口座残高が800円くらいで、ATMじゃ下ろせないから、窓口に行こうかと思った話をしたら、働いててそれかとか、恥ずかしいと思わないのかとかさんざんバカにされたが、そのときはまあ理由があったのだ。パートだったし、奨学金の返済もしてたし、引っ越しの費用も払った。電化製品も買った。それらが重なってのことだ。私は、そのことを恥だと思わない。

今は少しはましな生活になっているが、その過去があってのことだ。800円は、捨ててもいいような金かもしれない。それでも、私には貴重な金だ。私は、そのことを忘れてはならない