まあ、トイレが詰まった話でもしようと思う。

食事中の方は読まない方がいい。特にカレーとかビーフシチューの人は。



私たちは午前中にトイレ掃除を済ませたのち、午後からは二度点検をする。午後イチと、私が帰る前と。

トイレットペーパーの補充をし、ごみを回収し、蛍光灯が切れてないか、水漏れ等がないかを確認し、簡単に洗面台周りや便器の下を拭いて始末する。

そのときに、個室から「なんやこれー」と聞こえたので様子を見に行くと、便器から汚水が溢れていた…使用直後で「具だくさん」だ。

お客様には、あとは片付けますからとか適当に言ってお引き取りいただき、必要な道具を取りに行って…何が要るんだろう?人払い用の看板と、タオルと、手袋、ドライヤーに汚水取り(床用スクイジーとチリトリか)、念のためにバケツ、あとラバーカップ、ああバキュームが欲しい…

このときは、アドレナリンが出てるのか、頭が働いてるかのように錯覚するが、あまり冷静ではない。具だくさんの便器にラバーカップを突っ込んで何回も押す。押し流したところで、ちょっと冷静になってくる。立ち入り禁止の看板を無視して入ってくるタクシーの運転手(ビルの関係者ではない)を追っ払いながら、夢中で汚水を掻き出すが、狭いトイレで不自然な体勢、終わりの見えない作業に心が折れてくる。

何が詰まったんでしょうね。

トイレットペーパー使いすぎたんじゃないの。

そろそろ感染症が怖いシーズンなんですけど。

そんなことを言いながら作業を続けるが、だんだん無口になってくる。

「…これさぁ、どれくらいやればいいんだと思う?ずっと見てたらわかんなくなってきたんだけど」

「だいたい綺麗になったらいいじゃないか?臭いが残るのは…」

「しばらくは仕方ないですねえ」

ここまではまあよくある話ではある。


その二日後、同じ箇所が、詰まった。また溢れた。トイレットペーパーがほとんど、具はないのが救いか。


二日前のように、ラバーカップを使ってみる。じわじわ水位が下がるが勢いよく流れない。嫌なパターンだ。手も突っ込んでみるが、何も触れない。

管理室に報告に行くと、Mくんにやらせろと言われる…ちなみに、課長は半年後に辞めると宣言して退職願を提出済み…。なのでMくんに引き継ぎをしなければならないからだという。

「Mくんはわかってないし、やったこともないから。凪くんが教えろ」


サイテー。