人気のあるキャラって、やっぱサーシャなんですかねぇ。とにかくルックスは映画俳優みたいな男前らしいですよ。吾郎の勤める店で会ったときは、思わせぶりな感じだったんで興味をひかれたんですけど、ヘラクレス号で会ったときは革命家気取りでムカつくなぁと思ったんですよ。葉山と同様、祖国がない身でありながら、何に執着してるのかという、気色悪さを感じたんです。葉山より地獄を見てきたんだろうけど。彼は冒頭で、北朝鮮の飢えて死にかけの子を拾って連れてるんですが、その子を助けたいのも本心なんだろうけど、それ自体何の気まぐれだろうかと。

ただ、プラチナ・ビーズという作戦を、冒険と称したんで、また興味が沸きましたけどね。冒険っつっても満身創痍になったのは葉山だけですけど。HUMINTって007やスパイ大作戦じゃないんだよね…?

登場人物がね、皆何かしら性格に偏りがあるんですよ。坂下は、人を殺すのに躊躇がないし、マルコスなんか、サイコパスっぽいし。葉山も、父親の死がトラウマになってるし、エディはそれを利用することしか考えてないし。エディが握ってる弱みって何なの。つーか、葉山がただの下っ端ならそこまでしなくていいと思うんだけど。


米のために何人が死んだのか考えると腹立ちますけどねぇ。そう思う葉山もまたある意味日本的なんだと思いますよ。外見は欧米人で、日本に税金払ってても住民票が取れなくても。飢えたことがないから。

ディーノは、馬鹿だったというか、運が悪かったし、(葉山のせいで)核心に近付いて殺された留美とか、ヘラクレス号の船員とか…まあ、船員は皆訳ありで、フィリピン人にいたっては犯罪者だから、合衆国にとっては死んでもいい人材かもしれませんが。それでも命じゃないですか。合衆国にとっては、金達玄が復権するかどうかの前には、些細なことなんでしょう。ヘラクレス号のダミーくらい用意してやるよね。なんつーかね、それでアメリカは何がしたいの?ヒーローでいたいのか?


米は命より大事なのか?つー問題ですな。日本人は、残飯を漁れば飢え死にすることはないし、余剰米に興味はない。沈んだ船も、日本人が乗っていなければやはり興味がない。船には保険がかけられてるし、誰も損しない話なんですね…真相を知らなければいいだけのこと。

北朝鮮に米をばらまいたって、その場しのぎにしかならないとは思いますが、こっちは正に米が命なんだから、その手段が人道にもとるとかいったって仕方ないんだなぁ。普通に支援したって平壌か軍にしか届かないんだからそれよりマシってことで。本当に達玄に体制を変えるような力があるかどうかは分からないけど。


この話って、北朝鮮の飢餓とか、核問題とか、拉致問題とか盛んに報道し始める前に書かれたフィクションなんですけど、ありそうなのが怖い。つーか、自分が無関心なのが一番怖いのかもしれませんがね。我々は知らぬ間に搾取されてるのかもしれない。でも例えば、その辺をテロリストが歩き回ってても気付かないし、もし気付いても一般市民にはどうしようもないんですけど。

一時熱心に報道して急に冷めたのは何故なんでしょ。確か、金正日の余命って三年くらいだと何かで見たけど、達玄のようなひとは実在するのでしょうか。現実は、小説よりもっと悪いかもね?