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母の思い出をトートバッグに

なぎぃの木 naggy イラストレーター ミニトートバッグ 手作り リメイク

もうすぐ母の三回忌があります。早いなぁ、という思いと、お浄土に旅立ったのはもう随分前のような気もしたり。
母方の叔母たちに何か形見分けを…と、兄たちと遺品整理したのですが、自分のものより父や私たち子供のものを、という母だったので、使い込んだ日用品くらいしかなく。「いつか誰かが要る時に」と新品のまま大事にしまっていたハンカチやタオル等でてきて、「お母ちゃんらしいな」と、兄たちと苦笑いしました。
叔母たちと体型が違う上に、普段着ていた服では…と処分しようとしていたのですが、わたしの思いつきでリメイクすることに。
ブラウスやワンピース等の、布地のきれいなところだけ使って、ちいさなトートバッグを作ってみることにしました。

ポリエステルの細かい柄のブラウスが好きだった母は、年を重ねるうちに地味な色調を好むようになり、そういえば母方の祖母もそんなブラウス着てたな…と思いながら、使えそうな服を何回かに分けて実家から持ってかえってきました。
きれいに洗濯してほどいたり、型紙を起こして裁断したり、縫ったりしてる最中は、地味すぎて叔母ちゃんたちでも「ちょっと地味やわ」と言うかな…と思いつつ、まずは作ってみんことには、と進めました。
そして完成。ちょうどいいぐらいの地味さが、かえってかわいい感じになって、ほっとしました。

お盆休みは、主人の実家に帰省したり、何かと用事で出掛けたりしながら、合間あい間の時間で母の洋服をほどいて、裁断。こんなん、いつ着てたんやろ…というような柄物のブラウスがいくつかありました。
裁断したり、生地の裏に芯を貼ったり、アイロンでしわを伸ばしたり…ぼちぼちと準備をしながら、一気にミシンをかけました。そして、ミニトートバッグを新たに6個作りました。叔母たちに選択肢があった方がいぃかなと思って、ちょっと多めに作りました。

母は、背が低くてぽっちゃりしていたので、ブラウスでもワンピースでも体型に合うように、自分で寸法直しをしていました。そのため、縫い足したり短く切ったりしているので、バッグの型紙を置くのにぎりぎりのものもあったりで、ひとつひとつ微妙に形が違いますが、それもまたいいかなと思っています。

薄いポリエステルのブラウスの生地なら、裏地に使う方がスムーズなのですが、気に入ってよく着ていたので、あえて表に使いました。そして、ふくよかだった母のイメージを出したかったので、薄いスポンジのような芯地を貼りました。
内側には、夏によく着ていたアッパッパー(夏用のラフなワンピース)などの木綿系の生地を使いました。白やピンクなど薄い色にして、バッグの中を明るくし、中に入れたものが見えやすいようにしました。

表が小花柄なら内側は大きな花柄、とか、そのまた逆など、組み合わせを考えるのが楽しかったです。えんじ色に小花柄のと、地味好きな母には珍しいヒョウ柄のは、透けるような薄い生地だったので、濃い色の芯地を裏に貼って色柄が出るように工夫しました。

叔母たちが、近所に買い物に行ったり、お医者さんに行ったり、ウォーキングや犬の散歩の時に…と持ってもらえるように、使いやすさを重視して、外ポケットと内ポケットも付けました。自転車の鍵やポケットティッシュ、診察券や電車やバスのICカード、あめちゃん…など、小さいものをポイッと入れられます。開口部に大きなホックを一つ付けたので、バッグの中に物を入れても飛び出しにくいようにしています。

母の生前、叔母が母の病室を見舞ってくれた時、わたしに話してくれました。母が若い頃、幼い叔母たち2人にお揃いのワンピースを作ってあげたそうで、叔母たちはとても嬉しくて、ずいぶん長いこと大事に着ていたそうです。「ねえちゃんは、いつもわたしらにやさしかったわぁ…」と、叔母は笑顔で教えてくれました。


なぎぃの木 naggy イラストレーター ミニトートバッグ 手作り リメイク


それぞれに旅立っていくトートバッグを、記念写真として残すことにしました。ポリエステルのブラウスの、サラッとしつつ梨の皮のようなつぶつぶとした手触りと、ふわふわとした感触のトートバッグを持つたびに、母を思い出してもらえたら嬉しいなと思います。

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naggy

『女性セブン』8月23日30日合併号特集ページモノクロカットイラスト/小学館

なぎぃの木 naggy イラストレーター 女性セブン モノクロイラスト 生活習慣 長寿 短命 高齢者 農家 女性 畑仕事 海女 野菜 海藻 豆腐

8月9日発売の「女性セブン8月23日30日号・真夏の合併特大号」の特集ページ『食と習慣が証明する日本の「長寿村」「短命村」』のイラスト8点(掲載は6点)担当させていただきました。

今回は、食材のイラストに加え、長寿や短命の背景となる生活習慣を表現するイラストもあり、コンセプトによっては描き応えがありました。沖縄県の竹富島や、三重県鳥羽の海女さんなど、服装や風景で地域性を表現できたらと工夫しました。今回掲載はされなかったのですが、農家の女性は野菜料理を積極的に食べるというコンセプトのイラストは、農作業の合間の食事の際に、各自が持ち寄った野菜料理を楽しく食べているイメージで描きました。

今号は合併号ですので、週刊誌ですが2週間発売されます。書店やコンビニ、お盆の帰省やご旅行の時の空港や駅の売店、ドライブインなどでお見かけの際は、お手に取ってご覧下さいませ。
※イラスト詳細は、なぎぃイラストレーションポートフォリオサイト 『naggy Illustration』 のGallery2 でご覧頂けます。

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【カットイラスト72点】『暮らしを楽しむ 開運七十二候』

なぎぃの木 naggy イラストレーター 暮らしを楽しむ 開運七十二候 和の暦 二十四節気

8月1日発売の単行本『暮らしを楽しむ 開運七十二候』の挿絵を、72点担当させていただきました。この書籍は6名のイラストレーターが挿し絵を描いております。

わたくしの担当は、七十二侯の各名称ごとのイメージイラスト72点です。見開き右ページの下部に掲載されています。本文ページ以外に、表紙カバー(桃の花、春の七草、鈴虫)と、カバー見返し部分、背表紙にも使っていただいております。
 
書店でお見かけの際は、ぜひお手に取ってご覧下さい。

【 詳細情報 】
『暮らしを楽しむ 開運七十二候』
■発売日:2018年8月1日
■出版社:株式会社神宮館
■編著者:神宮館編集部
■七十二侯の各名称ごとのイメージイラスト72点
■見開き右ページの下部に掲載

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