お月見-中秋の名月・のちの月見-

近所の川辺の道を歩いていると、すすきの穂がさらさらと風になびき、
所々で葛や萩の花が咲いています。 このごろは、店頭で小芋さんを
たくさん見かけるようになり、お月見の季節やなぁ…と思います。
お月見は、旧暦の8月15日の夜に秋の美しい月を鑑賞する行事のことで、
中秋の名月とも呼ばれ、別名、芋名月ともいいます。今年の中秋の名月は、
10月4日と例年より遅めで、満月より2日早いそうです。
また、旧暦9月13日の十三夜は、「のちの月」といわれ、この夜もお月見を
楽しみます。十五夜の芋名月に対し、十三夜は、栗名月や豆名月とも
言われます。今年の十三夜は、11月1日だそうです。
お月さんのことを読んだ和歌は数多くありますが、色々と調べるうちに、
能因法師のこの歌を見つけ、心に残りました。
虫のねも 月のひかりも 風のおとも
わが恋ますは 秋にぞありける
子供の頃は、和歌というのは古文の授業で習って、テスト勉強の為に
暗記するだけで、内容を味わうまではできませんでしたが、大人になってから
読んでみると、歌に詠まれた情景の奥行きを感じ、読み手の気持ちにも
共感できるようになりました。
今年の秋は、野の草花も木々の紅葉も、今までよりも、より艶やかに
見えるような気がします。
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