『ごんぎつね』
台風が通り過ぎた翌朝、近くの川沿いの道を散歩しました。
しばらく雨の日が続いていたので、久しぶりに通ってみると、彼岸花のつぼみが
あちこちに姿をあらわしていました。雨水のせいで少し倒れてはいましたが、
すでに花が咲いているところもありました。毎年思うのですが、どうして
お彼岸の頃がわかるのだろう…とても不思議です。
新美南吉の『ごんぎつね』では、すすきの穂に雨のしずくが光り、
松虫がチンチロリンと鳴き、秋の情景が表現されています。
もの悲しいストーリーがなんとも切ないですが、真っ赤な彼岸花を印象的に描き、
儚くやさしい、幻想的な月夜の雰囲気にしました。
illustration by naggy