金時にんじん | naggy(なぎぃ)の木

金時にんじん

子どもの頃から体格の良かった私は、お正月に久々に会う
叔父さん叔母さんたちから、
「大きいなって」
「健康優良児やねぇ」
「かっちりと!」
(※この後に続く『よう肥えて』は省略してくれましたが…)
と、声を掛けられ、
女の子の褒め言葉としては微妙だな…と幼心に感じていました。

しかも、冬になると、すぐにほっぺたが真っ赤になる上に、
おかっぱ頭だった私は、
「金太郎さんみたい」という称号を与えられていました。
(もう全く褒められた気がしませんでしたが…)

金太郎さんの本名が「坂田金時」と知ってから、
給食の献立表の「金時豆」の文字を見て、なぜそんな名前なのか
不思議だったのですが、ずいぶん後になってから、
赤い色の野菜に「金時〇〇」と名が付いていることを知りました。

関西のお雑煮につきものの金時人参もそのひとつ。
京野菜のイメージが強い金時人参、実は大阪でも古くから栽培されています。
そんな関西にゆかりの深い人参のご紹介。

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【金時人参/きんときにんじん】

ひとりよりふたり
「イチャイチャしよって…あぁ羨ましっ」

お正月のお雑煮に欠かせない金時人参。その名の由来は、
金太郎さんとして有名な坂田金時。力自慢で肌が赤茶色だった坂田金時は、
力を入れるとより一層肌が真っ赤になったそう。
そこから濃い赤色をしたものを「金時」と呼ぶそうです。
江戸時代の書物に、美しい色で甘みがあり美味であると記されており、
難波や今宮など大阪市内の各地で盛んに栽培され、「大阪人参」という一名も
ある「なにわの伝統野菜」の一つです。 
余談ですが、きんぴらごぼうの「きんぴら」は、坂田金時の息子の
坂田金平が語源。滋養強壮の効果があると考えられるゴボウを使った料理に、
豪傑だった坂田金平からあやかって名付けているようです。

栽培地:泉州地域、大阪市
収穫時期:12月から2月
特徴:鮮明な深紅色で葉は緑。肉質は柔軟。甘みと香気が強い。

essay & illustration  by naggy

<参考>
大阪市ホームページ 『大阪市なにわの伝統野菜』
大阪府ホームページ 『なにわの伝統野菜』
大阪府環境農林水産総合研究所 食の安全研究部ホームページ
大阪府泉州農と緑の総合事務所ホームページ
近畿農政局ホームページ
まるごと泉州ホームページ
JA全農青果センター株式会社ホームページ
『なにわ野菜-割烹指南-』 上野修三 著
『地方野菜大全』 タキイ種苗(株)出版部 編
『からだにおいしい野菜便利帳 伝統野菜・全国名物マップ』 高橋書店編集部 編