【野菜のイラスト】天王寺かぶら
朝の空気の冷たさや、町中に漂うキンモクセイの香りに、秋の深まりを感じます。
気がつけば、縦横無尽に飛び回っていたツバメの姿は見かけなくなり、
その代わりに、秋晴れの空に声高々に鳴く百舌鳥(モズ)や、
仲間とにぎやかにおしゃべりしているムクドリの姿を目にするようになりました。
野菜の世界でも、季節の選手交代が始まっています。
トマトやナスやキュウリなどの夏野菜は、
実の部分を食用にする「果菜」ですが、これからの季節は
根や地下茎など、土の中にある部分を食用にする「根菜」が
中心になってきます。
そんな根菜の中でも今回は、ふっくらとした姿が愛らしく、
葉や茎もおいしくいただける、和風にも洋風にも合うしっかりさん。
江戸時代には大阪の名物のスーパーアイドルだった蕪のご紹介。
【天王寺蕪/てんのうじかぶら】
マスコットガール
「ぽっちゃりしててかいらして、よう言われます」
蕪が地上部に浮き上がるため、「天王寺浮き蕪」とも呼ばれた天王寺蕪は、
「なにわの伝統野菜」の一つで、江戸時代から明治末期にかけて盛んに
栽培されました。
名物として人気が高かったようで、文献での記述が多く、
与謝蕪村の「名物や蕪の中の天王寺」の句のほかに、大田南畝(蜀山人)や
正岡子規もそのおいしさを詠んでいます。
色白で扁平な愛嬌のある形から、地元の古いわらべ歌では
「わたしのかあちゃん 天王寺蕪 色が白うて 背が低い」と歌われ、親しまれました。
天王寺蕪の種子を持ち帰って植えたところ、葉と茎が大きく育ったのが
野沢菜の始まり、という言い伝えもあります。
現在の栽培地:大阪市
収穫時期:10月から1月
特徴:純白、扁平、甘みが強く肉質が緻密。皮、葉共に柔らかい。
essay & illustration by naggy
<参考>
大阪市ホームページ 『大阪市なにわの伝統野菜』
大阪府ホームページ 『なにわの伝統野菜』
大阪府環境農林水産総合研究所 食の安全研究部ホームページ
大阪府泉州農と緑の総合事務所ホームページ
近畿農政局ホームページ
まるごと泉州ホームページ
JA全農青果センター株式会社ホームページ
『なにわ野菜-割烹指南-』 上野修三 著
『地方野菜大全』 タキイ種苗(株)出版部 編
『からだにおいしい野菜便利帳 伝統野菜・全国名物マップ』 高橋書店編集部 編
気がつけば、縦横無尽に飛び回っていたツバメの姿は見かけなくなり、
その代わりに、秋晴れの空に声高々に鳴く百舌鳥(モズ)や、
仲間とにぎやかにおしゃべりしているムクドリの姿を目にするようになりました。
野菜の世界でも、季節の選手交代が始まっています。
トマトやナスやキュウリなどの夏野菜は、
実の部分を食用にする「果菜」ですが、これからの季節は
根や地下茎など、土の中にある部分を食用にする「根菜」が
中心になってきます。
そんな根菜の中でも今回は、ふっくらとした姿が愛らしく、
葉や茎もおいしくいただける、和風にも洋風にも合うしっかりさん。
江戸時代には大阪の名物のスーパーアイドルだった蕪のご紹介。
【天王寺蕪/てんのうじかぶら】
マスコットガール
「ぽっちゃりしててかいらして、よう言われます」
蕪が地上部に浮き上がるため、「天王寺浮き蕪」とも呼ばれた天王寺蕪は、
「なにわの伝統野菜」の一つで、江戸時代から明治末期にかけて盛んに
栽培されました。
名物として人気が高かったようで、文献での記述が多く、
与謝蕪村の「名物や蕪の中の天王寺」の句のほかに、大田南畝(蜀山人)や
正岡子規もそのおいしさを詠んでいます。
色白で扁平な愛嬌のある形から、地元の古いわらべ歌では
「わたしのかあちゃん 天王寺蕪 色が白うて 背が低い」と歌われ、親しまれました。
天王寺蕪の種子を持ち帰って植えたところ、葉と茎が大きく育ったのが
野沢菜の始まり、という言い伝えもあります。
現在の栽培地:大阪市
収穫時期:10月から1月
特徴:純白、扁平、甘みが強く肉質が緻密。皮、葉共に柔らかい。
essay & illustration by naggy
<参考>
大阪市ホームページ 『大阪市なにわの伝統野菜』
大阪府ホームページ 『なにわの伝統野菜』
大阪府環境農林水産総合研究所 食の安全研究部ホームページ
大阪府泉州農と緑の総合事務所ホームページ
近畿農政局ホームページ
まるごと泉州ホームページ
JA全農青果センター株式会社ホームページ
『なにわ野菜-割烹指南-』 上野修三 著
『地方野菜大全』 タキイ種苗(株)出版部 編
『からだにおいしい野菜便利帳 伝統野菜・全国名物マップ』 高橋書店編集部 編

