【野菜のイラスト】勝間なんきん | naggy(なぎぃ)の木

【野菜のイラスト】勝間なんきん

日中は、夏を思わせるような太陽が照り輝いていますが、朝方はひんやりした風が
吹くようになり、空の青さが鮮やかになってきたように感じます。

9月9日、今日は重陽。
また『菊の節句』ともいい、花札の絵柄にあるように「菊酒」を楽しんだり、
「菊の着せ綿」といって、菊の花に真綿を被せて夜露と香をうつしとり、翌朝その
綿で体や顔を拭いて、健康や長寿を願う風習があったそうです。

菊といえば、規則的に深い縦溝が入り、輪切りにすると菊の花のようにみえる
カボチャの形状を「菊座」といいます。

ハロウィンのカボチャは大きくてすべすべした感じですが、それに比べて、ずっと
ずっと小さくて、菊座のかわいい大阪の伝統的な南瓜(なんきん)について
ご紹介します。

naggy なぎぃの木 勝間南瓜 こつまなんきん 大阪伝統野菜

naggy なぎぃの木 勝間南瓜 こつまなんきん なにわ野菜

【勝間南瓜/こつまなんきん】

肝っ玉
「なんでも任しとき」

大阪市西成区玉出町(旧勝間村)が発祥地の勝間南瓜は、「なにわの伝統野菜」
の一つです。外観は縦溝とこぶのある小さな実ですが、熟すると味が良かった
ことから村の特産品だったそう。江戸時代には盛んに育てられていましたが、
一時途絶えたことも…。
平成12年に探し当てられた種子から、今よみがえりつつあります。
玉出の生根神社では毎年冬至の日に無病息災を祈願する「こつま南瓜祭り」が
行われ、従姉妹煮(南瓜と小豆の煮物)が振る舞われています。
大阪では「勝間南瓜みたいな」と言われたら、小柄で色気と愛嬌がある女性を
さしたようです。作家の今東光の『こつまなんきん』に、そのようなヒロインが
登場します。

現在の栽培地:大阪市
収穫時期:7月から9月
特徴:1kg未満の小型で粘質。果皮は緑色、熟すと赤茶色になり甘みが増す。


essay & illustration  by naggy

<参考>
大阪市ホームページ 『大阪市なにわの伝統野菜』
大阪府ホームページ 『なにわの伝統野菜』
大阪府環境農林水産総合研究所 食の安全研究部ホームページ
大阪府泉州農と緑の総合事務所ホームページ
近畿農政局ホームページ
まるごと泉州ホームページ
JA全農青果センター株式会社ホームページ
『なにわ野菜-割烹指南-』 上野修三 著
『地方野菜大全』 タキイ種苗(株)出版部 編
『からだにおいしい野菜便利帳 伝統野菜・全国名物マップ』 高橋書店編集部 編