【野菜のイラスト】玉造黒門しろうり

道路を走る車の数が少なかったり、電車の座席がすいていたり。
近所のスーパーに、普段見かけぬ野菜の詰め合わせが並んでいたり…
いつもと違う身近な場所に、「あれっ？」と感じつつも、あぁ、お盆だからかと納得。

お花屋さんの店先に並ぶ仏花を見て…
子供の頃、ラジオ体操の後に老人会のおじいさんたちと一緒に、
地域のお墓の草抜きをしたことを思い出しました。
その後に飲んだ冷たいジュースの、なんとおいしかったことか☆

色や味や匂いとともに残る記憶。
歌に詠んでしまうほど、そんなにまで美味しかったお野菜についてご紹介。

【玉造黒門越瓜／たまつくりくろもんしろうり】

貫禄十分
「堂々としてたらよろしいねん」

江戸時代から栽培されている玉造黒門越瓜は、大阪城の東側を流れている
猫間川にかかっていた黒門橋付近が発祥地。
「なにわの伝統野菜」の一つで、一般に「くろもんしろうり」と呼ばれます。
漬け物に適しており、糟漬けにしておいしかったことから名産となったそうです。
大阪が生んだ江戸中期の狂歌師、鯛屋貞柳(たいやていりゅう)は、
こんな一首を残しています。
「黒門といえども色はあおによし奈良漬にして味をしろうり」
糟漬けにした玉造黒門越瓜、よっぽどおいしかったんでしょうね。

現在の栽培地:大阪市
収穫時期:6月から8月
特徴:果実は濃緑色で８～９条の白色縦縞がある。果肉は厚い。


essay & illustration & photo　　by naggy

＜参考＞
大阪市ホームページ　『大阪市なにわの伝統野菜』
大阪府ホームページ　『なにわの伝統野菜』
大阪府環境農林水産総合研究所　食の安全研究部ホームページ
大阪府泉州農と緑の総合事務所ホームページ
近畿農政局ホームページ
まるごと泉州ホームページ
JA全農青果センター株式会社ホームページ
『なにわ野菜-割烹指南-』　上野修三　著
『地方野菜大全』　タキイ種苗(株)出版部　編
『からだにおいしい野菜便利帳　伝統野菜・全国名物マップ』　高橋書店編集部　編