奈川物語 第3章 カフェオープン あれこれ -327ページ目

私とゆりわり

野麦峠スキー場の非圧雪地帯、こぶのメッカゆりわり

このゆりわりとの闘いはもう何年になるだろう。
ぶつかっては跳ね除けられ。一度たりとも満足に降りたことはない。

このえぐれた溝。滑り始めると恐怖が走る。たった50センチにも満たない溝なのに。

確かに一級を取った頃よりは上手くなった。少なくとも転ばずに降りれるようになった。
でもただ降りるだけ。滑り降りるなだとはお世辞にも言えない。

今年も70回は降りたであろう。ラインが怖い。足がすくむ。どこをどう降りていいか未だに分からない。
特に誰が知り合いと一緒だといいところを見せようと途端に緊張が走り挙げ句の果て転倒する。

だから私は出来るだけ人のいない時にひっそりとこぶに挑む。ちくしょうちくしょうと言いながら。
なんでこんなもの怖いんだと自分を叱りながら。

しかし今日もゆりわりは冷酷に私を突き放す。
老人と海のメカジキと闘う主人公みたい。大造爺さんとガンの老猟師みたい。
コブに見放されそうになりながら今日も挑む私です。
コブは最高の出来栄えになってきました。