1週間(8月27日~31日)の活動報告をいたします。

 今週は、野田佳彦内閣総理大臣に対する問責決議案が参議院本会議で可決されました。今後、野党は参議院において審議に応じません。社会保障については、国民の皆様の生活に直結することを踏まえ、本来は、政局抜きで議論していく土壌をつくっていく必要があります。粘り強く野党にも呼びかけて参ります。

 原発についての議論も佳境に入っています。
 我が国の電力供給に占める原子力発電所の比率を将来的にゼロにするか、それとも一定の割合は原発に依存するのか、9月に決断することとなっています。そのための議論が民主党内ではじまっています。
 私も、会議の場に議論の論点となる項目についての資料を配布し、精力的に協議に参加しています。私は、原発比率をゼロにする決断をすべきであると考えています。
 国民の皆様の生活に大きな支障がないように、節電、自然エネルギー、スマートグリッド、コージェネなど、いろいろな手段を講じ、説得力ある原発ゼロの工程表を作成するべく取り組んでまいります。

 私は、我が国において、民主主義を支える基盤が弱くなっていると感じています。共同体を支える基盤が弱まっていると言えます。「お互いがお互いに対して、不幸にならないことを願い合い、幸福になることを願い合っているという確信」、これこそが、共同体意識を高め、親和的な討議の基盤、つまり民主主義を支える基盤であると考えています。共同体意識の涵養と同時に、意識を「官から公へ」と移す必要があります。
 「対人信頼感」と「対政府信頼感」は相関関係にあるのではないでしょうか。「自分を肯定できる社会」をつくり、一人一人が公の担い手として自立する社会をつくるために取り組まなければなりません。我が国は残念ながら、格差が拡大をして社会の断層が深くなりつつあります。「自分たちは努力しても恵まれない」と考える人がいる一方で、恵まれている人は恵まれていない人の生活を想像できないようになりつつあると感じています。
 
 あるべき社会を考える上で、参考にしている本を紹介します。一冊目は『暮らしの質を測る』(金融財政事情研究会)です。これは、フランスのサルコジ前大統領が呼びかけ、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者などを集めて、GDPをはじめとする経済的な指標ではない、暮らしの質を測る指標を確立する試みです。
 たとえば、ロシアでは、一人あたりのGDPが増えたにもかかわらず、寿命が短くなっています。アメリカも一人当たりGDPは増えていますが、多くの国民の所得は減っています。GDP一辺倒でなく、これからは「暮らしの質」を上げるための「民富」を増やす取り組みが重要です。

 二冊目は、廣井良典千葉大学教授の『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)です。この本は、安定した社会を築くためには他人との信頼感を増やすことが非常に重要であることが書かれています。
 この点で東京は残念な状況にあります。東京では、見知らぬ他人同士が気軽に声をかけ合うことは他国の都市に比べて乏しいのではないでしょうか。見知らぬ他人同士でも一定の信頼感がある社会が望まれています。

 「自分を肯定できる社会」、そして、それぞれの持ち場で本領を発揮し、持ち味を出せる社会、「一人ひとりが活きる社会」を目指してまいります。