自然エネルギーを加速させる世界と立ち後れる日本 | 億の細道

億の細道

1億円をようやく突破してきました。


果報は寝て待てというけれども、どうですかね?

風力や太陽光発電を巡る世界の動きが加速している。2010年の速報によると、世界の風力発電は累積設置容量で、急成長する中国が米国を抜いて世界一になった。太陽光発電の分野でも、トップを行くドイツが10年の1年間で発電能力を70%も伸ばした。「環境大国日本」は過去の話。今、行動しないと世界から置き去りにされることになる。(本文中、2010年の数値はすべて速報値)

成長する風力発電

 21世紀に期待される再生可能エネルギーの双璧は太陽光発電と風力発電である。日本では太陽光の方が注目されているが、世界の実績では圧倒的に風力だ。

 世界の風力発電累積設置容量は2009年末で1億5900万kWだったが、各国の積極的な投資により10年末には2億kWの大台に迫ったと推定される。実際の発電総量でも世界の2%に達した。

 一方、太陽光発電は09年末時点に発電容量で約2000万kWだが、これは風力の8分の1に過ぎない。風力発電の強みの1つは、太陽光発電と比較して、設備利用率(年間フル稼働した場合の発電量に対する実際の発電量の比率。キャパシティ・ファクターともいう)が2~3倍になることである。これを勘案すると実際の発電量で、風力と太陽光は20:1程度にさらに差が開くことになる。

 総発電量に占める割合で見ると欧州が他の地域を圧倒している。1位のデンマークはすでに20%以上を風力で賄っており、25年には50%以上に増やす計画を掲げている。次いで、ポルトガルとアイルランドが14%、スペイン11%、ドイツ8%という具合だ。

 太陽光発電と風力発電は、ともに太陽光を究極のエネルギー源としている。太陽光発電が太陽から受ける光(電磁波)エネルギーを直接電気に換えるのに対し、風力発電の場合は、太陽活動の結果としての気象現象である風を風車で回転エネルギーに変換し、発電機を駆動して発電する。

 風力による発電量はローターの直径の2乗に比例し、風速の3乗に比例する。かつては大型のローターが作れないために、発電効率が低く、コストも高かったが、近年大型化が進み、発電コストは急速に下がってきた。