廃止線の高架を利用した「メガソーラー」 ソーラーパワー | 億の細道

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1億円をようやく突破してきました。


果報は寝て待てというけれども、どうですかね?

太陽光発電の特長は、家庭用システムと同じソーラーパネルを大量に設置すると、事業用の発電施設ができてしまう点だ。もちろん、発電量が増えれば送電施設も大型にしなければならないが、仕組み自体は極めてシンプルなので、スペースさえ確保できれば、出力が1千キロワットを超える「メガソーラー」を低コストで建設することもできる。

 宮崎ソーラーウェイ株式会社の都農発電所(宮崎県都農町)は、旧国鉄が建設したリニアモーターカー宮崎実験線の跡地を利用したユニークなメガソーラー。太陽光発電所が場所を選ばず立地でき、周辺環境に与える負荷も極めて小さいことを実証した。実験線は日向市から都農町の海岸沿いに7キロ余りにわたって建設されているが、幅は3.5メートルしかなく、1996年に施設が廃止されても、他の用途へ転用できないまま放置されていた。

 宮崎県は2009年、太陽の恵みを生かした地域づくり「ソーラーフロンティア構想」を打ち出し、その中核に太陽光発電の促進を掲げた。この構想の担い手として、もともとは航空測量が本業の国際航業が名乗りを上げ、子会社の宮崎ソーラーウェイがリニア実験線のうち都農町にある長さ3.6キロ分の高架を所有者から無償で借り受け、都農発電所を建設した。高架上には1万2520枚のソーラーパネルを設置、出力は1メガ(1千キロ)ワットちょうどで、11年2月に完成した。

 リニア実験線は南北に伸びているため、3.5メートル幅の高架上に1基当たり48枚のパネルをまとめた架台を南向きに並べた。さえぎるもののない高架上の日当たりは抜群で、年間124万キロワット時の電力を生み出すと想定されている。11年3月に営業運転を開始したところ、当初から期待以上の発電量が得られ、特に4月は日照に恵まれたこともあって月間発電量は計画を大きく上回る16万キロワット時に達した。4カ所の変電所を設けて送電しているが、土地代が必要なかったこともあり、投資額はおよそ6億円で済んでいる。