ハイドン : 12曲のロンドン交響曲集 (Haydn : London Symphonies .../Joseph Haydn

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F.シューベルト : 交響曲全集 (Schubert : Complete Symphonie.../マルク・ミンコフスキ

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クラシック音楽CD収集が最近停滞している。大きな感動を得ることが滅多になくなってきたからだ。高い金を出してクラシック音楽CDを買うくらいなら、本に投資して音楽の知識を養った方がよく思えてくる。我が家のCDはまもなく2000枚に達するので、もうCDを買うのをやめて買い溜めたアルバムを繰り返しきくクラシック愛好家としての余生をすごそうか。

 また、大体の曲にお気に入りの演奏家が固定化されてしまった。もうこれを超える演奏家はしばらく現れないような気がするのだ。良い演奏を繰り返し聞く方が、終わることのない名盤探しよりも生産的な行為のように思える。重箱の隅をつつくようにマイナーな音楽や演奏家などクラシック音楽の深部へとずぶずぶ沈潜していく勇気はぼくにはない。

 ただ、強烈な個性を持たず、芸術家よりも研究者としての一面が強いつ指揮者ほどつまらないやつはいない。さすがに第一線で活躍しているラトルやゲルギエフ、ハーディングなどは違うが、つまらない個性を知識で覆い隠す姑息なやつが増えているのは確かだろう。指揮技術はもちろんだが、あなたの感性をまずききたいのだよ、というのが愛好家たちの多くが抱えている不満のはずだ。

 古楽が研究めいてつまらない、というのはあまりに低いレベルの批判だ。最近ではむしろ古楽の方にユニークな個性を持った指揮者が多い。ヘンゲルブロックやミンコフスキなどだ。ヘンゲルブロックは北ドイツ放送響の指揮者に就任し、新たな風をクラシック音楽産業に吹き込んでいる。古楽の奏法を現代オーケストラに取り入れることが一種の自己アピールとして機能していた時代は終わり、古楽の奏法を取り入れた上でいかに自分の個性をのせるかが問題となりつつあるのだ。指揮者に要求される知識と技術はますます高くなり、生き残る指揮者の数はどんどん少なくなっていくだろう。おぉ、生きにくい世の中です。

 というわけで、ミンコフスキのアルバムを貼っておきます。