Fazil Say Boxed Set/Naive

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Complete Works for Violin & Orchestra/Naive

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ハイドン : 12曲のロンドン交響曲集 (Haydn : London Symphonies .../Naive

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 ぼくはよくフランスのnaiveレーベルを手に取る。

 つい最近までaccentusくらいしか興味がなく、エキルベイに懐疑的なぼくには信頼性の欠ける印象のレーベルだった。しかし、ファジル・サイやコパチンスカヤ、ミンコフスキなどおもしろい演奏家と数多く抱えていることを知り、注目度が一気に上がっている。調べてみると古楽のスペシャリストも多く擁している、フランス最大のレーベルの一つだそうで。見落としていた自分の勉強不足だったわけである。

 ファジル・サイは以前紹介したトルコのピアニストだ。エキセントリックでおもしろい。コパチンスカヤもファジルサイ以上に奔放さ全開のモルドヴァ生まれのヴァイオリニストで、ぶっ飛んでいる。両者とも本場ヨーロッパから外れた異端児で、西洋音楽に新しい風を吹き込んでいる。グールドの個性と異なり、伝統文化に育まれた個性が、西洋音楽をかき乱しているようでおもしろい。少なくとも、彼らを目立ちたがり屋などと一蹴する愛好家は、自分の耳を現代的にアップデートした方が良いだろう。彼らを楽しくきけない時代遅れの感性は、実にかわいそうだ。

 ミンコフスキは古楽の実力派指揮者だ。最近ではハイドンの交響曲集が話題をさらっている。数々の賞も取り、評判も良い。最近彼のロ短調ミサ曲をきいたけど、ヘンゲルブロック以来の素晴らしい古楽のロ短調に感動させていただいた。

 naiveレーベルの面白い点は、このようにおもしろいだけでなく、どの演奏家もまだ若く将来性があるところか。この若さで既に規格外の才能をほとばしらせているファジルサイやコパチンスカヤ、ミンコフスキなどの演奏家がこれからどうのびていくのか。見守りたくなるではないか。ただでさえ少ない買いたくなる演奏家を多く有するnaiveレーベルの先見性は見事なものがあると思っている。