Mercury Living Presence Boxed Set/Mercury Living Presence Boxed Set

¥7,649
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 アマゾンでマーキュリーレーベルの50枚組ボックスが安くなっていたので、ついつい購入してしまった。前回かったRCAリビングステレオの50枚組が素晴らしかったので、以前から狙っていたのだ。

 僕はクラシック音楽における録音事情はあまり詳しくないけど、当時プロドュサーだったウィルマ・コザート・ファインのもとマーキュリーレーベルは多くの優秀な録音を残したらしい。録音とはおもしろいもので、技術が向上したと言われながらも、1950年代の良いステレオ録音と現代とそれほど遜色はない。結局は録音技師たちの腕にかかっているのだ。おもしろいですね。

 このボックスは主にドラティを軸に構成されている。ミネアポリス響との演奏は正直いまいちだったけど、ロンドン響との演奏は見事だった。特にシェリングとのヴァイオリン協奏曲は素晴らしい。ドラティはオーケストラビルダーとしての手腕に定評があるけれども、ミネアポリス響はやはり他のビッグオーケストラと比べて実力的に一歩劣るところがある。

 あと、二枚しか入っていないけど、ポール・パレーとデトロイト響の演奏はおもしろい。驚くほどキレがあって、躍動感がある。ダンスミュージックのようなベルリオーズの幻想交響曲を聞いていると、ミュンシュの重苦しい演奏が改めてあほらしくなってくる。彼のアルバムは以前イタリアのオーケストラとの演奏を聞いたことがあったけど、アメリカの機能的なサウンドの方が合っているように思える。

 あと目玉は実際の大砲を用いて録音されたドラティによるチャイコフスキーの「1892年」らしい。目の前で大砲が炸裂しているような臨場感が確かにある。まぁ、僕はこの曲がそれほど好きではないのだけれども。

 あっちこっちで在庫が余っているようなので、焦る必要はないかと思いますが、良い企画です。マニア心を的確にくすぐります。僕も我慢できずに買ってしまいました。あぁ、今月もお金がない・・・