Poulenc: Piano Concerto/Richard Hickox

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  今日の一枚はヒコックス指揮による『プーランクのピアノ協奏曲』だ。

 プーランクのピアノ協奏曲といえば、「2台のピアノと管弦楽のための協奏曲」の方が有名かもしれない。でも僕はこの曲が大好きだ。音楽は若干ロマン的で、心ないクラシック愛好家からは常套句的でチープな「映画音楽のようだ」という批判をくらうかもしれないが、至る所にプーランクらしさが光っている。ちらりと顔を出す旋律に、僕の大好きな彼の宗教曲の面影を感じる。確かにプーランクらしい摩訶不思議な和音構成は表に出てはいないが、意外な音楽進行に、思わずにやりとしてしまう。まるで二人の男女による熱いメロドラマを映画を見ているような気分にさせてくれる音楽だ。思い出したように時々取り出してきては聞いている。

 さて、ヒコックスは2008年にわずか60歳でなくなった夭折の指揮者だ。僕は彼が設立した「コレギウム・ムジクム90」に惚れ込み、お金がないのに大学二回生のころ「ハイドンのミサ曲全集」を購入したくらいだ(5000円もしたんだぞ!うぅ・・・)。Virginやchandosにたくさんの録音を残してくれたのが幸いだけど、彼らの成長を見守りたかった僕としては、その死に大きなショックを受けたことを今でも覚えている。

 ヒコックスはプーランクの楽曲をVirginに何枚か残してくれた。彼の演奏には、イギリスらしい明るさと、さっぱりとした歯切れの良さがあった。澱みが無く、全てがスムーズに流れていく。確かに僕はちょっと変わった指揮者が好きだけれども、彼のような好青年的な演奏も時には聞きたくなる。特に第二楽章の底抜けの明るさを聞いていると「良いやつは早く死ぬ」なんて紅の豚のワンシーンを思い出してしまう。本当に良い指揮者だった。

 曲はyoutubeに画像があるので、興味のある人は聞いてみてほしい。ブログと著作権の関係を僕はいまいちよくわかっていないので、ここに添付することはやめておきます。僕は彼を忘れてほしくないので、これからも小出しに彼のアルバムをこのブログで紹介していくつもりです。

それでは皆様、楽しいGWを。僕は一日も休みがとれず、研究に追われそうです。とほほ・・・


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