シューマン:交響曲第4番&メンデルスゾーン:交響曲第1番/ヘンゲルブロック(トーマス)

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 今日の一枚は、ヘンゲルブロックと北ドイツ放送響によるメンデルスゾーンとシューマンのアルバム。去年発売されたばかりの新譜?となる。遅ればせながらの紹介。

 ヘンゲルブロックは日本ではまだ名が知られていないかもしれないが、ヨーロッパでは実力が認められた今旬な指揮者の一人だ。フライブルクバロック管弦楽団とバルタザールノイマン合唱団を率いて数々の名演を残している。
 合唱ファンである僕はバルタザール・ノイマン合唱団に以前からずっと注目していた。ヘンゲルブロックのアグレッシブな指揮でも崩れない実力派合唱団だ。このブログでも紹介したし、ハルモニアムンディから出ているバッハのミサ曲ロ短調はピリオド系オーケストラの中では際立った出来だと思う。

 そんなヘンゲルブロックがヴァント以来日本のクラシックファンにはお馴染みの北ドイツ放送交響楽団の首席指揮者に就任した。彼らによる初のセッションレコーディンがこのアルバムだ。セッション録音とうたっている割には最後に拍手が入るのが謎だが。信じて聞き続けてきた指揮者が有名になっていく姿を見るのは、気分が良い。

 記念すべき一枚目のアルバムは、メンデルスゾーンの一番というマイナー曲を当てて来た。演奏は彼らしいピリオド色の濃い機敏性に富み、躍動的で生き生きしている。シューマンは珍しく初稿版を使用しており改訂版と比べロマン性が薄れているが、その分ヘンゲルブロックのピリオド色が映える。アーティキュレーションが豊かな曲なので、彼のキレのある音楽と相性が良い。改訂版のスケールの大きさが失われ僕としては欲求不満だが、これがこの曲本来の姿なのかもしれにない。しかしまだ両者の齟齬が随所に感じられ、まだ出来立てほやほやといった感がある。これからの成長に期待といったところか。
 
 僕としては、今一番注目しているコンビとなる。これから彼らがどのような方向性へと進んで行くのか、楽しみでならない。