アップをしなくて申し訳ありません。最近忙しくて、家に帰ると即寝るという生活が続いておりまして・・・


というわけっで、今日ついにタリススコラーズの演奏会が琵琶湖ホールの大ホールにてありました。なんと1500円でS席の前列ど真ん中で楽しむことができました。琵琶湖ホールは場所的には最悪でも、青少年はS席1500円と格安でみさせてもらえるという素晴らしい活動をしています。こういう活動はきっとクラシックの若者離れを食い止めるいい効果をもたらすに違いありません。本当にありがたいです。


タリススコラーズはCDを集め始めた頃の僕をルネサンス世界に引きずり込んだ思いで深いアンサンブルです。いわば僕のクラシック音楽好きの原点ともいえる存在といっても言い過ぎではありません。そういうわけで僕はタリススコラーズの大ファンでして、この日がくるのを死ぬほど楽しみにしていました。

演奏された曲は以下のとおり
ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ(1525頃-1594):Palestrina : 立ち上がれ、輝け、イエルサレムよ(第1部)Surge illuminare (Part One)
教皇マルチェルスのミサ曲Missa Papae Marcelli

グレゴリオ・アレグリ(1582-1652):Allegri : ミゼレーレ Miserere

ジョヴァンニ・クローチェ(1557頃-1609):Giovanni Croce :我らの大地は賛美の歓びに沸く(二重合唱ための)Laudans exsultet gaudio (for double choir)

アンドレア・ガブリエリ(1510頃-1586):Andrea Gabrieli :ほむべきかな、主なるイスラエルの神(二重合唱のための)Benedictus, Dominus Deus (for double choir)

コスタンツォ・フェスタ(1490頃-1545):Costanzo Festa : 汝は何と美しきことかQuam pulchra es

パレストリーナ:Palestrina : うるわしき救い主のみ母Alma redemptoris mater
しもべらよ、主をたたえよ Laudate pueri Dominum

アレグリのミゼレーレとパレストリーナのミサが聞けるなんて・・・CDでしか聞けなかったあの曲が生で聞けるのですから、本当に演奏会前から狂喜乱舞でした。


そしてついに待ちに待った開演。僕の目の前にあのピーター・フィリップスが入場してきました。もうそれだけで感無量です。今回来日したのは男女それぞれ5人ずつでした。1000円もしたパンフレットによると、みなさんモンテヴェルディ合唱団やThe sixteenなどの超有名アンサンブルに所属しているみたいです。


そして曲が始まった瞬間にもうタリスの演奏に一気に引き込まれました。響き、アンサンブルの精度、表現力etc全てが経験したことのない圧倒的に素晴らしいものでした。ただ凄い!!!の一言。この素晴らしい演奏を表現できない自分のボキャブラリーのなさに涙するしかないのですが、本当に感動しました。

しかし、前半の演奏でただひとつ文句を言わせてもらうと、テノールのドーベルさんという方が不調なのか声が割れたように聞こえた気がします。それが気になってアンサンブルに集中することができませんでした。うーーーん、残念です。


そして!!!後半のしょっぱなが名曲ミゼレーレ。これがこの演奏会で最も素晴らしかったです。もう感動の嵐。さきほど不満だったドーベルさんも調子を取りもどし、ようやく本当のタリスに出会えた気がしました。悲哀のこもったメロディーが心に染み渡って本当に涙が出そうになりましたよ。いや・・・・本当に素晴らしかったです。感動しすぎて曲が終わったしばらく放心状態みたいになりました。いやーーーー、本当に幸せなひとときでした。


というように本当に素晴らしい演奏会でした。合唱人であるのにも関わらず今日来ていなかった関西の人は本当にもったいないことをしましたよ。これが世界か、と納得しました。


しかし、なんでこんなに素晴らしい演奏ができるのでしょうか。このような演奏を日本でこなす合唱団はおそらく皆無でしょうし、たぶん永遠にできないような気がします。あえて挙げるとすればBCJでしょうが、あそこはバロックが主なレパートリですし。何がここまでの差を生んでいるのだろいうか?

などを考えながら、幸せな気持ちで家路につきました。今年で一番幸せな一日だったと思います。