PICE OF MY SOUL ~S's side~ 第4話
~俺さ、有一とつき合ってる~
「は!?」
あまりにも唐突なことで神はそれしか言えなかった。
「だから、俺のこと朋って呼んだんだよ。学校以外じゃそうだから」
朋通は静香かにそう言った。表情こそ作らなかったが瞳はしっかり神に向けられていた。
「佐・・・々木・・・・・・?」
「うん」
会話の流れから佐々木のことを指しているとは思ったが、下の名前を知らなかった神は確認のためそう聞いた。
「・・・・・・変だと思う?」
無表情のまま朋通は尋ねた。
神が戸惑いを隠せないながらも口を開きかけた。
その時、佐々木が保健室に入ってきた。
「うわ、痛そー。包帯ぐるんぐるんだな。捻挫だって?」
朋通の正面に腰を落としながら佐々木は言った。
「そー。センセー車でしょ。送ってくださいよ」
さっきまでの表情を崩して朋通は言う。
「んー、しょうがなねーなぁ。じゃあ、裏玄関で待ってろ」
神は二人のやり取りを黙って見ているしか出来なかった。
PICE OF MY SOUL ~S's side~ 第3話
「足くじいたー、痛ぇー」
その声に神は我にかえり、散乱した朋通の教科書等を拾い朋通の元へ急いだ。
「保健室行くぞ、朋通。歩けるか?」
「うん。足以外はへーき。けつは痛ーけど」
「そうだな。頭も打ってないみたいだし。じゃあ瀬戸、林のこと頼むな。担任には報告しとくから」
林に戻ってる・・・・・・・。
そう思いながらも神は返事をし、朋通と保健室へ向った。
「捻挫ね」
保険医に湿布を貼ってもらい、報告書などを記入させられた。
少し休んでから教室へ戻れと言うので、二人は長椅子に並んで座った。
保険医が、職員室へ用事があると出て行ったので、神は朋通に先ほどから気になっていたことを言った。
「佐々木さー、お前のこと朋っつたよな。いきなし。何だったんだアレ」
「あー」
朋通の反応は薄く、足を見つめたままだった。
「あ、悪ぃ。今はそんなのどーでもいーか」
よほど足が痛むのだろうと思った神は少し黙ることにした。
「俺さ、有一とつき合ってる」
いきなり朋通が発した。
PICE OF MY SOUL ~S's side~ 第2話
キーンコーン カーンコーン
6限目終了のチャイムの音で、神は目が覚めた。
「おはよう、神」
朋通が大きなあくびをしている神に言った。
「んー、まじ寝た」
神がそう答えると同時に、今の授業を担当している佐々木の声が聞こえた。
「じゃあ、今日はここまでな。次は教室だからなー。」
日直が号令をかけ、皆教室へぞろぞろと向った。
神た朋通は混雑を裂避け、一番最後に理科室を出た。
「何で今日理科室だったんだ 」
「神寝るの早すぎ、せめてビデオ始まってから寝なよ」
神の問いかけに朋通は穏やかな笑顔を向けながら言った。
「あ~、ビデオ観たん・・・・・・」
神がそう言いかけた時、後頭部に衝撃を受け、すぐさま神は後ろを振り返った。
「ってえな! !・・・あ、佐々木センセ」
神に衝撃を与えたのは、先ほどまで授業をしていた教師の佐々木だった。
職員室に向おうとしていたら、今の二人の会話が耳に入り、早足で神に近づき教科書をぶつけたのだった。
「お前の席は日が当たってたから気持ちよく眠れたなぁ?瀬戸」
一緒階段を降りながら神を責める。
「そーなんすよ。あの席で寝ないやつなんていないすよ」
「ばか者め」
もう一発佐々木は神にくらわす。
その時だった。
二人の会話を聞きながら、笑っていたはずの朋通がうわっと声を出し、階段から落ちていった。
神が咄嗟に朋通の名前を呼ぼうとした時、それは別の声によって叶わなかった。
「朋」
神より早く佐々木が朋通の元へ駆け寄り怪我はないかと手を貸して起こした。
行動は教師として正しい。
しかし
━ 朋 ━
名前を読んだのだ。普段は自分も含め生徒のことは苗字で呼ぶのに。
神はその場から動かず佐々木を見つめた。
