4年制大学でのマンガ論・マンガ創作 | マンガ・コース講師

4年制大学でのマンガ論・マンガ創作

京都精華大学では日本初の「マンガ学部」を設定し

本格的にマンガ創作・マンガ編集&プロデュース・アニメーション等を

多くの実力派作家を教授などに迎え、相当充実した本格的なマンガ

創作や編集論を展開しています。

入学倍率もかなり高い。


★ぼくは、 文学部系で「マンガ論」「マンガ史」を教えています。

半期15コマ内での講義で、毎週かあるいは隔週2コマで進め、

後期に「マンガ創作」として、論から少しはなれてシナリオ→ネーム

までのコマ割り作品を実作し、それをレポート採点するという

ケースがあります。


 絵は描かなくとも良いのです。ネームを書き、コマに割って

場面を展開していく。それを体験することによって、マンガを

「解読」する際に、作品をより深く分析できるように~という意図

から、実施しました。

 マンガ読みの女生徒から好評で、数年絶やさずに続けて

います。


●このときに<課題>としているのが、「日常・一日」です。

マンガ描き~というと、すぐファンタジーやラブストーリーを

描きたがる。

 でも、平凡な人間の1日、ロボットの1日、魔術師が起きてから

洗面し食事し…という彼らの日常がまず描けないことには、物語

を展開し絵にしていくことは出来ません。

 描けたとしても、上滑りしたリアリティのない平凡な場面の連続

でしかない。ですから、まずは大きな物語を捨て、小さな細部を

8ページていどの短篇に描いてもらっています。


★普段、マンガ・コースの学生のように、作品描きをやっていない

生徒が、コースの作品より深い短篇を提出してくることが多いの

です。この経験から、イラスト・コースの1年生に、この課題で

描いてもらっています。

 女生徒がほとんどのコースを担当していますが、彼女たちは

物語作りが苦手でマンガを避けた~という傾向にあります。

ですから、「1日」テーマがうってつけなのです。