昔、アニメで『少女革命ウテナ』という作品があった。ストーリーも面白かったはずなのだけど、今となっては「世界を革命する力を!」という決め台詞とインパクトのある挿入歌と、オープニング曲の記憶がほとんどで、正直細かいところはほぼ思い出せない。だけど、最終回を終えて受けたメッセージは今でもしっかり残っている。


作品の解釈や考察はわからないのだけど、狸がこの作品にもらったものは『自分が世界』ということだった。


「少女革命ウテナ」は「世界を革命する力」を求めて登場人物たちが戦い苦悩する物語で、出てくる言葉が「世界の果て」だの「革命」だのと派手な上、ジェンダー的な内容も含まれていた。

内容も演出も前衛的というか攻めてるなぁという印象で興味深く観ていた。


もう古い作品なのでネタバレ大丈夫かな?ざっくりとだけ書くけども、だめな人は飛ばしてください。


************ ネタバレ


TV版最終回は簡単に言うと、主役のうちの一人が意識改革を起こして舞台であった学園をひっそりと去る。去った人の記憶は残された人たちの中では曖昧になり、それでも学園ではあい変わらずバトルが繰り返され続けるというもの。


************ 終わり




たったそれだけなのだけど、世界を革命するってそういうことかと妙に納得してしまった。とてもシンプルでコスパが良いなとも。


環境は選べる。即ち世界を変えられる。

選択する自分を、その価値観さえ変えてしまえば革命は起きるのだ。他人や周りを変える必要なんかない。目から鱗がボロっと落ちた気がした。


もちろん現実では簡単にいかないことも多い。しかし、確実なアプローチが出来る。

周りへ呪いを吐く前に、まず自分と向き合って出来ることを探す方がいい。


昨今の行きすぎるポリコレも、フェミニズムも、多くは知覚過敏になってしまったコンプレックスの裏返しだと感じる。もちろん弱者への配慮はなくてはならないし、有って当然のものだ。簡単に語れる話でもないとは思う。

しかし、自身は省みず与えられる配慮にたかり要求し続けるなら、それはとてもさもしい事の様に思う。

対象と取り巻く環境、双方に思いやりと成長があってこそうまく噛み合っていくだろう。

そして、真の多様性とはある程度相互認識をした上で、適当に他者に無関心であるとこだと思う。


途方もない世界の果てを目指す前に、まず目の前の確実な一歩を。

そしてそのヒントは自分の中にしかない。