プログラミングを勉強すると人生が捗るなと思った話


事務をしていた時に、業務を楽にしたくて独学でほんの少しだけVBAをかじった。

自動記録から始まり、欲が出て入門書を買って簡単なソースコードを書くようになった時、これは人生が捗るなぁと思った。


日本人は元来空気を読む能力が高く、逆に空気が読めないのは仕事が出来ない奴とジャッジされがちな文化だ。事によっては直接的な表現は品がないとさえ言われたりする。ぶぶ漬けとかね。


空気を読んだり、相手を慮ったりする文化はとても良いものだと思うし、時短されスマートに円滑に回るのであれば言うことはない。

ただ、そういう思想に頼り過ぎると自身が思うことを相手に正確に伝える能力が低下してしまうように思う。

伝える能力の低さから起こるすれ違いで、人間関係や仕事で嫌な思いをすることにもなりかねない。原因に気が付けないなら更に最悪だ。


コンピューターは命令を出すと、絶対に命令したことしかしてくれない。当たり前だが一切こちらの意図は察してはくれない。また、そんなところから説明しないといけないのか、という事から事細かに指示する必要がある。まぁ、共有する概念が全く無いので当然なのだが、これは日本人同士のコミュニティに居るとあまり経験しないことだと思う。 私はこの時自分がいかに無自覚に、相手との共有意識に依存したコミュニケーションを当たり前のことだと思っていたのかを思い知った。


そこまで指示しないと分からないのかと思っても相手が人間ではないから仕方ないと割り切れる、ここがミソだ。相手が人間で特に同じ日本人なら、伝わらなかった場合相手に駄目だしして責める思考が生まれがちなのだ。

「なんでこんな事もわからないんだ?」とか、「常識的に考えたらわかるだろう」とかね。それを最初に封じられるからこそ、素直に何故伝わらないのか、どの指示が足りないのかを考えるし、更に必要なら伝える方法を勉強しようとなる。

そうでもなければ、ある程度意図を汲んでもらえるはず、という相手への依存を排除するという発想は持ちにくいのではないかなと思う。


正直、同じ概念を共有している前提で話をするのは時短になるし、要点のみにスポットを当てやすくなる。しかし、その際事前に本当に同じ概念を共有できているのかの確認をされることはほぼないと思う。

正式な契約等のかしこまった場面なら、書面を読むのは 面倒だが確認事項としてあるかな。仕事でさえもラフな感じだとポイント以外は端折られた上に口頭でさらっとなんてこともあるし、プライベートに至ると狸に限ればそんな確認をされた覚えはない。なので頻度はおそらく低いのではないかなと予想する。あ、一流ドコロでは働いたことはないので、あくまで狸が経験した範囲での話。


そもそも世間で常識と言われる概念は現在の所属コミュニティでの多数派の意見であって、全世界共通の絶対的当たり前ではない。

身近で公に言われるものは、せいぜいは日本国内での一般的な共通認識だと思われているものだろう。そもそもそこで言う一般的と言われる定義がわからない。もし半数以上という事なら51%でも100%でも多数派なのだ。その辺はどうなんだろうね。

ともあれ、個人的にはその内容が確実に100%皆同意見であると証明出来ない限り、当然に共有出来ているとは言えないから確認は必ず必要だと思う。


一昔前にケンミンSHOWという番組で、各都道府県の県民性、要はその都道府県での常識の差異をみて楽しむ番組があった。世界からみて小さい島国と言われる日本国内においても、この様に都道府県が変わると常識が変わるし、理解できないこともある。そういうことなのだ。


余談だが狸の故郷、讃岐ではあんこ入りの餅で雑煮を作る。あん餅雑煮は初見気持ち悪いといわれるが、想像より美味しいし善哉が好きならおそらく好きだと思うので一度是非試して欲しい。もちろん讃岐人がみんなあん入餅の雑煮が好きなわけではないと言うことは注釈しておく。


ともかく、コンピューターは想像以上に細やかな指示を出さないと意図する動きをしてくれない反面、過剰な指示も要らない。それは物事を客観的に把握して他者に正確に伝えるという考え方の、とても良い練習になった。


空気を読む、それは素晴らしいスキルで素晴らしい文化だ。でもそれが上手く出来ないとか、人間関係で躓く事が多いとか、そんな悩みが多いなら一度プログラミングを勉強してみるのも良いかもしれない。


人に対してプログラム地味たことを伝えるのは細かすぎると思うかもしれないが、そこはさじ加減だ。そのまま全部伝える必要はなくて、怪しところだけ細く伝えればいい。自身の伝えたい事を正確に把握していると、それを伝える伝えないは選択できるのだから。


もし完璧なソースコードを組んでも相手に意図が伝わらなければ、相手側の理解能力が著しく低い可能性が考えられる。そこが判明したなら次のフェーズに移ることをお勧めする。