最近は、連日地元のあいさつ回りに精を出しています。
そして、今日、この夏初めての蝉に遭遇しました。雑木林で、まだ弱々しかったのですが、かすかな蝉の声も聞きました。午前中は晴れ間が見えましたが、午後はどんより曇り、夕方には雨がぱらつく有様で、梅雨明けはまだ先。時折すれ違う子供たちにも心なしか活気が感じられません。我が家の娘たちも、なかなかプールに行けず毎日ぼやいているようです。

また、全国で豪雨のため被災された皆さまに心よりのお見舞いを申し上げます。

さて、靖国問題に今日で一応の区切りをつけたいと思います。
この間さまざまなお立場から率直なご意見をお寄せいただきました皆さんに心から感謝申し上げます。その中から、ごく最近頂戴したコメントの一つが総括的なものだったので、引用させていただきながら、改めて私見を述べたいと思います。

以下、Unknown (Unknown) 2006-07-27 03:11:04 コメントをベースにしました。
1.分祀の対象
(1)A級戦犯全員
(2)A級戦犯全員及びBC級戦犯及び戦犯以外にも存在する国家指導者たち等
(3)A級戦犯、BC級戦犯を問わず、日本人自ら戦争責任者とみなした人のみ
(4)沖縄やシベリヤ抑留などで亡くなった民間人も含めた純然たる意味での戦死者以外(ABC級戦犯含む)

私の意見にもっとも近いのは(3)だと思います。繰り返しますが、極東軍事裁判のことはひとまず頭の中から切り離してお考えいただければと。すなわち、分祀は、本来の合祀対象者(戦死された軍人・軍属)以外の方々のうち、昭和6年以降に閣僚および陸海軍統帥部の要職にあった方々ということになります。(注:「戦死」には、戦場での傷や病が原因となって後日亡くなられた場合も、「軍人・軍属」に加えて軍の要請に基づいて戦闘に参加して死亡された民間人の方々も含まれます。)

したがって、「A級戦犯のみがけしからん」と言っている中国や韓国の議論とはまったく無縁の判断とお考えください。つまり、「A級戦犯分祀をたとえ実行したとしてもその後、BC級戦犯も問題あるといってきた場合、反論できる根拠がないですよ」というご心配は杞憂です。中国・韓国に認めてもらう、という観点ではありません。私たち自身の手でけじめをつけることが重要だと思います。極東軍事裁判という場で外国から押し付けられた結論で国内が右往左往する無ざまな現状に終止符を打つことが目的です。ここまで努力して、なお中韓が文句を言ってきても、それは国際社会での広い支持は得られないと思います。

2.論理構成
 (1)分祀は有効な適切な手段のひとつ
→(2)なぜなら本来あるべき姿にもどすだけ
→(3)しかも自然に外国からの圧力なくなる
→(4)東京裁判の是非を扱えるようになる
→(5)既に日本では名誉回復はされている
→(6)しかし敗戦責任はある

仰るとおり、「少し苦しい」とは思いますが、現時点でこれ以外に良い方策を思いつきません。まさに、「国内で名誉回復され」、「東京裁判の是非論(が)解決している」にもかかわらず、近隣諸国や欧米の専門家から難癖をつけられている現状を打開するには、靖国と同裁判(判決)をまったく関係なきものとして切り離すことが最善の道ではないかと考えます。

最後に、「そもそも東京裁判の判決と敗戦責任は全く別であって、東京裁判がたとえ無効になったとしても敗戦責任があるのは当然」というご理解にまったく異論ありません。私が言わんとする「戦争責任」(「敗戦」の責任だけではありません。念のため!)とは、極東軍事裁判を舞台にした連合国の「政治ショー」で意図的に狙い撃ちされた「被告」に拘わらず、当時の国際法から脱線し祖国を焦土に陥れてしまった満州事変以降のわが国の政治・軍事指導者たちの責任をきちんと見極めていきましょう、というものです。

念のため付け加えますと、私は、彼らの墓を暴けとか、全国各地の護国神社から御霊を引きずり出せ、とか言っているわけではありません。日本国民として、静かに、謙虚に過去の失敗を省みて、後世に生かそうというだけなのです。靖国神社にお祀りする対象から外れることは、彼らに対する罰としてそうすべきだ、と言っているわけではないのです。そもそも、廣田氏や松岡氏のような文民の閣僚などは、靖国神社とは何の関係もない方々であって、おそらくご本人たちも何でお祀りされたのか戸惑っておられるでしょう。

私としては、A級だとか、B級だとかといった、極東軍事裁判に振り回された分祀論から一刻も早く脱却したい、その一心です。それこそが靖国神社の本旨にも適い、天皇陛下や総理大臣はじめすべての国民(あるいは諸外国の指導者たち)がわだかまりなく日本国のために命を投げ打って戦った英霊の皆さまを追悼、慰霊、顕彰、崇敬する唯一の方策と信じます。

8月を迎え、例の「富田メモ」の真贋も含め、さらに議論が巻き起こることが予想されますが、当ブログでは多少早めに私の見解を披瀝させていただき、皆さんの議論に供したいと存じます。