いやはや、執筆準備中の自著のタイトルをめぐって実に辛辣なご意見を多数頂戴しました。多少へこみますが、いいマーケットリサーチになったことは間違いありません。(苦笑) 皆さまのご協力に感謝申し上げます。

本のタイトルとしての是非はともかくとして、今後とも「品格」を重んじて議員活動を行っていく決意にいささかの揺るぎもありません。そのことは、すなわち野党根性との決別ですから、その意味で、与野党の枠を超えた議会活動を目指すことに他なりません。だからといって、政局絡みでドタバタしようって話ではありませんよ、念のため! (訂正:「与野党の枠を超えた政治活動」という表現はいくら何でも誤解を招きかねないので、真意を正しく伝えるために「議会」活動と改めました。2006-04-13 14:40)

さて、小沢代表との政策協議(懇談)は、松本政調会長を中心に各担当ごとに、補欠選挙(@衆院千葉7区)明けにもセットされることとなりました。新代表は、この選挙に意識もエネルギーも一点集中しています。並々ならぬ決意で、まさに鬼気迫るものがあります。頼もしい限り。もとはといえば、自民前議員の買収事件が発端となった補選だけに、我が党として絶対に負けるわけにはいきません。私自身も前議員の事件の後を受けて同じ党から補選に立候補し惨敗を喫した経験があるので、事件後の逆風の厳しさは身に染みています。ところが、攻める立場の民主党が、メール問題で失態を演じてしまったので、形勢逆転。そこをもう一度、「小沢効果」でひっくり返そうというのです。マスコミ各社の事前調査の数字もだいぶ接近してきたようです。

党を挙げての一大決戦になりましたので、私も押っ取り刀で応援に駆けつけようと思っていますが、党の外交安保政策を預かる責任者としては、後半国会に向け、目の前に積み上がっている諸課題に取り組むことも大事です。ざっと挙げれば、以下のようになります。

(1)米軍再編への対応:普天間基地移設問題では、最終的に沖縄県も名護市の決定を尊重する姿勢に転換する(今朝の『読売新聞』1面参照)ようですから一件落着ですが、沖縄駐留の米海兵隊がグアムへ移転する経費をどこまで負担すべきか、という議論は、我が国の納税者が納得できるような形できちっとやらなければなりません。来週には、衆議院の安全保障委員会で計7時間半にわたってこの問題を中心に審議することになります。私も金曜日に再々度質疑に立ちます。

(2)防衛庁の改編問題:施設庁の官製談合事件が起こる前から準備されていた防衛庁設置法の改正案の審議に続いて、施設庁そのものを解体する改革案、さらには、防衛庁を省に昇格させる改編案も連休明けに提出される可能性がありますから、その議論への備えもしておかなければなリません。

(3)イラク派遣自衛隊の撤収と自衛隊の海外活動に関する恒久法(一般法)の制定も急がれます。すでに英国が5月をめどに撤退を検討中と伝えられています。英国としては、治安維持の任務を必要としない程度まで安定してきたイラク南東部地域から、深刻な治安状況に陥っているアフガニスタンへ軍を動かしたいと考えています。英軍撤退・治安権限のイラクへの移譲に合わせて、豪州とともに我が国の陸上自衛隊も撤収の準備を慎重に開始せねばなりません。暑さで活動に支障が出る夏を前に決断しなければなりません。それと同時に、こういった事態にいつまでも特別措置法に頼っているのは決して好ましいことではありませんので、政府に恒久法の制定を促すよう、我が党内の議論をまとめなければなりません。

(4)東シナ海のガス油田開発をめぐる日中協議が暗礁に乗り上げている中で、中川前大臣を引き継いだ二階経産大臣の言動が気がかりなこともあり、政府の姿勢を後押しするためにも、海洋・海底資源の探査、試掘、開発を国家の責任で行い、また、我が国の排他的経済水域での違法な(国連海洋法条約違反)活動をきちんと取り締まるためにも、根拠法を制定しなければなリません。自民党サイドも武見参議院議員を中心に「試掘作業に入った民間企業の活動水域を守るための法律案」を準備しているので、民主党提出の法案との接点を探り、場合によっては共同提出できるような道を探っていきたいと考えています。

(5)北朝鮮に対しても、拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決するための外交カードを揃えていかなければなりません。自民党で山本一太参議院議員を中心に準備している北朝鮮人権法案や段階的な経済制裁を発動させる法案などとともに、民主党提案の北朝鮮人権救済法も早期に成立させて、拉致をめぐっても、核をめぐっても、のらりくらりを決め込む不誠実な北朝鮮政府を外交的に揺さぶっていかなければなりません。ハンスト断行中の増元さんをお招きして開かれた今朝の党の拉致問題対策本部の会合では、とくに、今回の横田めぐみさんに関連するDNA鑑定の結果を韓国側とシェアし、これまで自国の拉致問題には及び腰だった韓国政府を巻き込んで、北朝鮮に対する実効ある圧力をかけていくことを申し合わせました。

(6)このほか、対中外交の在り方や、それに関連して、インドや豪州やロシアなどを巻き込んだ「遠交近攻」外交の在り方、緊迫の度合いを増してきたイラン核開発問題、前国会から懸案となっていた緊急事態基本法の策定、さらには、憲法改正に絡む集団的自衛権の行使をめぐる規制緩和の在り方などなど、課題は文字通り山積しています。小沢新代表がめざす外交安保ビジョンとりまとめに向けて、党内論議をさらに活発化させていくことが当面の目標ですが、その先にある党内コンセンサスづくりに大いに汗をかかなければなりません。ぜひとも、皆さんの建設的な(ここが重要です!)ご意見をお寄せください!

追記:「審議拒否」戦術についてのご批判はもっともです。私も疑念は捨て切れません。ただし、あまり言い訳をくだくだ書きたくなかったので躊躇していましたが、事情が正しく伝わらないのは甚だ不本意なので、敢えて追記させていただきます。先ず第一に、これは、小沢代表になったから対決色を強めるための戦術的な行動というのは全くの誤解、曲解です。現に、他の委員会は正常に動いています。真相は、今朝の『産経新聞』が正確に報道していたように、与党側が民主党提出の「がん対策基本法案」の審議入りを合理的な理由もなく拒んだことに対する抗議の意思表示です。拒んだ理由は、新たな「がん対策」をめぐって自民・公明両党の足並みが乱れている中で、民主党案を先行審議することになると、党を挙げてがん対策に取り組む姿勢を見せてきた公明党の「お株が奪われてしまう」との党利党略だというのだそうで・・・。審議拒否をテコに、国民が切実に必要とするがん対策のための法案を審議入りさせる、という手段も必要悪ということなのかもしれません。その限りで、国民の皆さんの理解を得られるものと思います。なお、民主党のがん対策など包括的な「医療制度改革大綱」については、民主党HPからご覧ください。→http://www.dpj-tokushima.jp/sengoku/kaikakuan.html