朝街頭を終えて事務所に戻ってくると、テレビの前にスタッフが鈴なり。
WBC日米決戦の衛星生中継に見入っていました。
「どうだ?」と聞くと、「いい試合ですよ!」との声が返ってきましたが、誰もが目はテレビに釘付けです。「イチローが先制ホームラン打ったんですよ!」
スコアボードは、3対3で8回表。

9時からスタッフ・ミーティングなので、それまでの間、野球観戦することに。
残り時間は、30分弱・・・。

米国投手の代わりばなを捉えて、先頭打者西岡がセンター前にクリーンヒット。
どっと歓声が上がる。
続く多村の送りバント失敗で、「あーあ!」
(一次リーグから投打のミスが祟ってきたことを思い起こし、いやなムードに)
しかし、西岡が鮮やかに盗塁を成功させ、そのあと、松中、福留が四死球を選び、1死満塁。
(よっしゃ、行ける!)
時計を見る。ミーティング開始時間まで、あと15分余り・・・。

岩村がレフトへ打ち上げる。
ちょっと差し込まれた感じで、浅いフライ。
(ちょっと戻れないかな・・・)と思ったら「西岡の足なら、大丈夫!」の声。
西岡タッチアップ。
悠々セーフ。また、スタッフがドッと盛り上がる。
それにしても渋い決勝点。
勝つ時はこんなものか、と喜んでいると、なになに抗議?

三塁走者・西岡の離塁が早かったのでは、と解説者。
「んなわけねーだろ!」の声。
すると、な、なんと球審が「アウト!」
まさか!
猛然と球審に詰め寄る王監督。
何度もVTRが流れるが、(微妙なタイミングまではわからないものの)きちんとタッチアップされているように見えるが・・・。
プロだし、当たり前といえば当たり前。

しかし、いったん出した判定(しかも、三塁塁審の「セーフ」の判定を覆したもの!)を球審が覆すはずもなし。
結局、無得点のまま2者残塁でチェンジ・・・。
(テレビ観戦中の長嶋さん、これ観てまた具合悪くならなきゃいいけど・・・などといらぬ心配が頭をよぎります。)
スタッフは、こもごも捨て台詞を残してミーティングの準備に向かいますが、私はというと、なんとも諦め切れず足が動きません。
8回裏の米軍は、三者凡退。「よしっ!」

9回表も、王ジャパンは粘ります。
先頭の小笠原が四球を選んで、送りバント今度はきちっと成功。
二ゴロの間に三塁へ。そして、2死三塁で、イチローに打順が。
(残り、あと数分!)
「おい、みんな、ツーアウト三塁でイチローだぞ!」
(ここで決めてくれ!そうすれば決定的瞬間を見逃さずにすむ。)

「えー!?」再びテレビの前に集まってきたスタッフの悲鳴。
け、敬遠・・・か!
ここで、タイムアップ。
なんとも割り切れない思いでスタッフミーティングを始めることに。

そのあと、地元あいさつ回りの途中で、王ジャパンの敗戦を知りました。
このエントリーも、挨拶の合間に書き込んでいます。
(細かい経過については記憶があいまいだったので、asahi.comのWBC特集ページに頼って書きました。)

この試合が各国でどんな報道されるかわかりませんが、日本人としては、なんとも後味が悪い試合でした。おそらく大方のアメリカ人にとってもそうでしょう。4人の審判は、本来対等であるはずで、塁審のジャッジを球審が覆すことは、ごく希、というか私自身は寡聞にして知りません。しかも、ビッグ・チャンスに打席に立ったイチローを敬遠・・・。昔、高校球児の松井の4打席連続敬遠が批判を浴びたことがありましたが、「本場」の野球ファンも、あそこは勝負を望んだでしょう。

「今日の試合は終わった。残りを勝って、準決勝でもう一度、アメリカにチャレンジしたい」。一番悔しいはずの王監督のこの清々しいコメントが救いです。さすが、世界の王貞治。明日から気持ちを切り替えて、王ジャパンの健闘を心から祈ります。