藤原先生の『国家の品格』を読んでも、また、何人かの有識者の方々とお話していても痛感することだが、今の民主党に決定的に足りないものは、「民主党らしさ」だ。

民主党を応援してくださっている方々の恐らく半数近くが自民党のアンチ・テーゼとしての民主党に拍手を送っているに過ぎない。「アンチ自民」の支持者だけで到底政権交代は望めない。「プロ民主党」という積極的な支持者を増やせなければ、民主党に明日はない。「大連立」などという曲球に翻弄されてしまうのがオチだ。

「民主党らしさ」とは何か。英語でいえばSoul-searching(自己分析・・・ちょっと軽い訳語だな)を徹底的にやらねばならない。「基本政策をまとめ、金輪際「バラバラな政党」と言わせない」との前原代表の公約を実現するためにも、民主党は自民党に比べてどんな比較優位があるのか、どこに力点を置いた政府を創ろうとしているのか、どんな視点で社会を捉えているのか、どのような支持基盤を大事にしようとしているのか、この自己分析こそ今年前半の最大の課題だ。