民主党の教育基本法改正案が数日間にわたる熱心な党内論議の末に確定しました。
その名も、『日本国教育基本法案(新法)要綱』。

この間、数年間にわたり、論点整理や要綱のとりまとめに尽力された鳩山幹事長(民主党教育基本問題調査会長)、藤村修会長代理、鈴木寛(すずかん)事務局長、笠浩史事務局長代理、そして、最後の数週間40時間余りに及ぶ議論をリードした西岡武夫元文相(教育基本法に関する検討会座長)のご努力、ご苦労に心から感謝と敬意を表する次第です。

焦点となっていた「愛国心」は、「日本を愛する心を涵養し」とのじつに意義深い表現に集約されました。自画自賛に聞こえるかもしれませんが、よくぞこの品格ある表現を考案したものだと感服。与党議員からも「やられた!」との唸り声が聞こえてきます。

愛する対象を制度や政体としての「国」ではなく、「日本」としたことで、先祖から子々孫々に至るまで、過去、現在、未来にこの日本に生きるすべての人々、およびその営みの歴史や山紫水明のすべてを愛し、尊敬し、誇りに思う心の大切さを見事に表現したと思います。その心を、押し付けがましく教え込むのではなく、「涵養」すなわち自然に養い育む、としたところに品格を感じます。皆さんいかがでしょうか?

与党の皆さんも、政府案の「わが国と郷土を愛する態度を養う」といった不自然な表現には忸怩たる思いが強いようで、直接私に「民主党にしては実に良い案を出してもらった!」と伝えてきた方もいます。「にしては・・・」は余計ですが! もちろん、新たに教育基本法に盛り込むべき教育の課題は「愛国心」にとどまりません。民主党案では、現行法の単なる「平等」を求めて示された「機会均等」にとどまらず、子供たちに最善の教育環境を保障すべきであること、それは、健常者のみならず障害を持った子供たちにも、就学前の幼児期の子供たちにも等しく保障されるべきであることを明記しました。また、政府案では曖昧にされた、生命と宗教にかかわる情操教育の大切さもきちんと盛り込みました。 

さあ、これで、明日からの特別委員会の審議に臨むことになります。与党案対民主党案のガチンコ勝負。じっくりと論戦を戦わせて、国民の皆さまが十分納得できる60年ぶりの教育基本法の改正を実現させなければなりません。是非ご注目ください。なお、民主党の『日本国教育基本法案要綱』については、下記サイトからご覧いただけます。http://www.dpj.or.jp/news/200605/20060512_091kyouiku.html