初めての代表質問が終わった。
頭に血が上るというのは、こういうことなのだろう。
興奮すると、早口になる悪い癖がもろに出た。
自民党席から、「早口になってるぞ!」の野次で、はっとさせられた。
あれは、多分、石原伸晃さんだった。
以前の上司だ。今は、党派は別れてしまったけれど、温かい親心にちょっぴり感謝した。
途中からペースをつかめたと思う。
冒頭に、「外交は8割が常識、あとの2割はニュアンスの違い」とのチャーチルの言葉を引用し、常識8割で現実的な外交の選択肢を国民に示したい、と大見得を切った。
つぎに、小泉総理が「日米関係を基盤にアジア外交を進める」と言ってきた割には、アジア外交が進んでいないことを衝いた。結局、小泉外交は、アジアとの関係とアメリカとの関係が、日本外交の両輪で、相互に補完し合う関係にあるとの認識を欠いているのではないか、と指摘した。
また、小泉総理は、首脳外交で、日米関係や日朝関係を切り結んでおきながら、中国と韓国との首脳外交の停滞をまったく意に介さないのは、ダブルスタンダードではないか、と詰め寄った。首脳の信頼関係がないところに、突発事故が起こった場合の棄権について、2001年4月に勃発した米中軍用機の衝突事故を例に、質した。
さらに、日本外交がステールメイトに陥っている間に、中国が猛然とアジアの近隣外交を展開し、日本の存在感を吹っ飛ばしていることに警鐘を乱打した。そして、日本がアジア戦略を構想する場合、中国を無視することは不可能であること、今後20-30年の中国外交の最重要課題はエネルギー問題であるから、我が国は、エネルギー効率の改善をはじめ、中国に対しては、かなりアッパーハンドを握れること、などを示唆し、小泉総理の首脳外交で、事態を動かすよう促した。
上海総領事館の情報担当職員自殺事件については、我が国のカウンター・インテリジェンスのお粗末さを指摘し、世界(とりわけ、えげつない中国)における情報戦で勝負できる日本となりうる具体的方策を質した。
日米関係では、同盟強化と米軍再編をめぐって、小泉政権が、周辺諸国や基地を抱える自治体に対して、これまでいかにデリカシーを欠いた無神経な行動を繰り返してきたかを追及した。あわせて、長年の懸案となっていた日米地位協定の見直しを総理に迫った。
内政問題では、地方分権、医療制度改革、そして、犯罪被害者への支援策についてそれぞれ質した。(質問後の反響がもっとも大きかったのは、外交安保政策ではなく、最後の犯罪被害者支援だった!)
そして、(今や座右の書の一つとなった)藤原先生の『国家の品格』を引用して、小泉政権を糾弾し、質問を締め括った。以下、結論部分のみ引用したい。
(引用はじめ)
いずれにしても、今年還暦を迎えた日本国憲法を見直すことは、私たちの「戦後の生き方」を見直すことにもつながります。小泉政権は、ホリエモンやヒューザーに象徴される、短絡的な競争原理や表面的な効率化を称揚し、「『官』の責任放棄、『民』の堕落」を招き、まさしく『国家の品格』を貶めました。
私たち民主党は、「『官』の効率化は進めつつも、『民』の公共性を育む」ことによって、地域の絆と公の精神に支えられた「公正で誠実な政府」を樹立し、小泉政権5年で失われた『国家の品格』を取り戻してまいります!
(引用終わり)
さて、小泉総理の答弁は、どれもこれも、じつに素っ気ないものだった。
悔しいが、格が違うということだろう。
ただ、答弁書を書いた外務省はじめ役人ども(敢えて、汚い言葉を使っています!)には怒り心頭に発する思いだ。よくも、こんな答弁を内閣総理大臣に平気で読ませるな。まったく中身のない答弁・・・!
アジア外交の停滞に対する責任は、「すべて小泉総理の靖国参拝にある」と一番言いたがっているのは、じつは、外務官僚たちなのだろう。「悪いのはあいつだ」と。なんと構想力の欠如した連中だ!小泉総理の信念(たとえ間違っていたとしても!)が変わらないというのであれば、総理の靖国参拝を織り込んだアジア外交を何とかして構想するのが、外務省の総合政策局とか何とかいう部局だろう!
いずれにしても、政権交代しかこの国は変わらない、ことを改めて実感した。
本会議登壇の機会は、しばらくないだろう。
次の登壇のときには、ぜひ「答弁者」として臨みたいものだ。
今日の、前原代表と(そして及ばずながら)私の代表質問が、全国で戦っている同志の皆さんを元気付けるものとなったことを祈りつつ、長い長い一日を静かに終える。ご声援いただいた皆さん、また、電話やファックスやメールで感想を寄せてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
頭に血が上るというのは、こういうことなのだろう。
興奮すると、早口になる悪い癖がもろに出た。
自民党席から、「早口になってるぞ!」の野次で、はっとさせられた。
あれは、多分、石原伸晃さんだった。
以前の上司だ。今は、党派は別れてしまったけれど、温かい親心にちょっぴり感謝した。
途中からペースをつかめたと思う。
冒頭に、「外交は8割が常識、あとの2割はニュアンスの違い」とのチャーチルの言葉を引用し、常識8割で現実的な外交の選択肢を国民に示したい、と大見得を切った。
つぎに、小泉総理が「日米関係を基盤にアジア外交を進める」と言ってきた割には、アジア外交が進んでいないことを衝いた。結局、小泉外交は、アジアとの関係とアメリカとの関係が、日本外交の両輪で、相互に補完し合う関係にあるとの認識を欠いているのではないか、と指摘した。
また、小泉総理は、首脳外交で、日米関係や日朝関係を切り結んでおきながら、中国と韓国との首脳外交の停滞をまったく意に介さないのは、ダブルスタンダードではないか、と詰め寄った。首脳の信頼関係がないところに、突発事故が起こった場合の棄権について、2001年4月に勃発した米中軍用機の衝突事故を例に、質した。
さらに、日本外交がステールメイトに陥っている間に、中国が猛然とアジアの近隣外交を展開し、日本の存在感を吹っ飛ばしていることに警鐘を乱打した。そして、日本がアジア戦略を構想する場合、中国を無視することは不可能であること、今後20-30年の中国外交の最重要課題はエネルギー問題であるから、我が国は、エネルギー効率の改善をはじめ、中国に対しては、かなりアッパーハンドを握れること、などを示唆し、小泉総理の首脳外交で、事態を動かすよう促した。
上海総領事館の情報担当職員自殺事件については、我が国のカウンター・インテリジェンスのお粗末さを指摘し、世界(とりわけ、えげつない中国)における情報戦で勝負できる日本となりうる具体的方策を質した。
日米関係では、同盟強化と米軍再編をめぐって、小泉政権が、周辺諸国や基地を抱える自治体に対して、これまでいかにデリカシーを欠いた無神経な行動を繰り返してきたかを追及した。あわせて、長年の懸案となっていた日米地位協定の見直しを総理に迫った。
内政問題では、地方分権、医療制度改革、そして、犯罪被害者への支援策についてそれぞれ質した。(質問後の反響がもっとも大きかったのは、外交安保政策ではなく、最後の犯罪被害者支援だった!)
そして、(今や座右の書の一つとなった)藤原先生の『国家の品格』を引用して、小泉政権を糾弾し、質問を締め括った。以下、結論部分のみ引用したい。
(引用はじめ)
いずれにしても、今年還暦を迎えた日本国憲法を見直すことは、私たちの「戦後の生き方」を見直すことにもつながります。小泉政権は、ホリエモンやヒューザーに象徴される、短絡的な競争原理や表面的な効率化を称揚し、「『官』の責任放棄、『民』の堕落」を招き、まさしく『国家の品格』を貶めました。
私たち民主党は、「『官』の効率化は進めつつも、『民』の公共性を育む」ことによって、地域の絆と公の精神に支えられた「公正で誠実な政府」を樹立し、小泉政権5年で失われた『国家の品格』を取り戻してまいります!
(引用終わり)
さて、小泉総理の答弁は、どれもこれも、じつに素っ気ないものだった。
悔しいが、格が違うということだろう。
ただ、答弁書を書いた外務省はじめ役人ども(敢えて、汚い言葉を使っています!)には怒り心頭に発する思いだ。よくも、こんな答弁を内閣総理大臣に平気で読ませるな。まったく中身のない答弁・・・!
アジア外交の停滞に対する責任は、「すべて小泉総理の靖国参拝にある」と一番言いたがっているのは、じつは、外務官僚たちなのだろう。「悪いのはあいつだ」と。なんと構想力の欠如した連中だ!小泉総理の信念(たとえ間違っていたとしても!)が変わらないというのであれば、総理の靖国参拝を織り込んだアジア外交を何とかして構想するのが、外務省の総合政策局とか何とかいう部局だろう!
いずれにしても、政権交代しかこの国は変わらない、ことを改めて実感した。
本会議登壇の機会は、しばらくないだろう。
次の登壇のときには、ぜひ「答弁者」として臨みたいものだ。
今日の、前原代表と(そして及ばずながら)私の代表質問が、全国で戦っている同志の皆さんを元気付けるものとなったことを祈りつつ、長い長い一日を静かに終える。ご声援いただいた皆さん、また、電話やファックスやメールで感想を寄せてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。