皆さんの反応は、私が辻元議員を評価したことと、普天間基地移設をめぐる「V字滑走路」案をめぐり発言がブレたのではないか、という二点に集中しました。

辻元議員の政治的主張や行動などに批判が集まるのは、もちろん理解できます。「坊主憎けりゃ袈裟まで」とも言いますが、「罪を憎んで人を憎まず」という諺もありますね。私としては、彼女を政治家としてどう評価するかとは別に、委員会での彼女の質疑内容とは切り分けて考えられないものかと思うのです。国会審議は、あくまで議員と政府(立法府と行政府)が正面から向き合う場です。国民の負託を受けた議員が、政府に対し説明責任を果たさせる絶好の機会なのです。そこにおいては、自ずと鋭い切り口からの明快で丁寧な質疑というのは光るもので、その価値に与野党の別はなく、議員に対する好悪の感情を持ち込むことは適当でないと思います。(試しに、衆議院TVから実際にご覧になられてはいかがでしょうか。)

また、「V字滑走路」案についてですが、ここ数年間、普天間移設問題に真剣に取り組んできたことを自負する者の一人として、額賀長官と島袋名護市長のご努力には深く敬意を表したいと思いますし、率直に妙案だと思いました。しかし、政府が、その「妙案」の趣旨や有効性について正面から説明責任を果たそうとしないのであれば、それは批判せざるを得ません。しかも、普天間基地に現在配備されている中型・大型輸送ヘリの後継機であるV-22オスプレイの配備計画を否定するかのような答弁は甚だ不誠実です。今日は、防衛庁設置法の改正案についての法案審議ですが、私は、この点を改めて詰めたいと思っています。

さて、昨晩は、民主党の若手保守派(1-2期生)の仲間とともに偉大な政治家と夕食を共にしました。小泉政権と徹底的に戦い、自民党と袂を分かち、いまなお我が国の良識保守のシンボルとして無所属を貫く平沼赳夫代議士は、まさに「大人」の風格にあふれています。話は、皇室典範改正から、対中戦略、教育の復興など多岐にわたり、私たちの青臭い議論を真っ正面から受け止め、ご自身の見解も明快に披瀝してくださったその姿勢に感銘を受けました。ステイツマンとはまさにこういう政治家を指す言葉なのだと実感。そして(皆さん想像もつかないと思いますが)橋龍や麻生さん、安倍さんなどの物まねは、圧巻でした、ほんと! ところで、生臭い話は一切なかったことを念のため付記しておきます。(笑い)