さて、早いもので今年最後の定例会ももう間近です。

というわけで、昨日は以前から気になっていた横須賀市汐入で取り組まれている空家の利活用事業について視察に伺わせていただきました。

横須賀市には、谷戸と呼ばれる山に囲まれ車も入れないような地域が49か所もあります。

家に行くためには急な階段を約200段も登らなければいけなかったり・・若い人ならともかく足の悪い高齢者にとっては生活するのにかなり厳しい住宅環境。そのために谷戸地域ではどんどん空家が増加してしまっています。



私も登りましたが、かなりきつい・・これに重い荷物もあったら完全にアウトです。
 
こうした地域では高齢者が孤立してしまいます。

そのため、こうした谷戸地域の空家を上限150万円で3分の2のリフォーム代の補助金を市が出す代わりに、学生に空家をシェアハウスとして貸し出す。学生はその代わりに地域の高齢者を見守る活動をするという先進的な取り組みです。
この事業は平成24年からスタートしており、現在は4軒目の準備中と着々と実績を増やしています。

昨日は、実際にシェアハウスに住んでいる学生さんにお部屋を見せてもらいお話を伺いました。



ちなみに、こちらの写真は学生さんが住んでいる部屋ではありませんが、こちらは同じ汐入地区の空家バンクによるリノベーションしたお宅。古い外観からは想像もつかなりフランスアンティーク風のお洒落な室内。

一人暮らし高齢者のおうちを回って重たい資源ごみを代わりに出してあげたり、花壇のお手入れを一緒にしてあげたり、地域の町内会に加入して夏祭りなどのときは一緒にイベントを盛り上げたりしているそうです。

お部屋もとても片付いていて、大学の教科書なども本棚にずらり。

学生さんたちからは、、
「このシェアハウスに住むまでは、片道2時間かけて実家から大学に通っていたので時間的にロスが多かった。」
「家賃が1万円と安いので経済的にとても助かる。」
「同じ大学の友達同士で住むので情報交換もできる。」
「高齢者の方からはお手伝いするととても喜んでいただき、色々差し入れをいただいたり、こちらが見守っているというよりは見守られているように感じる。」

というお話を聞かせていただきました。

空家の利活用。
若者による高齢者の見守り。
学生への経済的支援。

まさに、一石三鳥ともいえる取り組み!

しかし、ここまでの道のりまでは当然簡単なものではなく、職員の方は当初空家の実態把握をするのに外部委託せずに、一軒一軒歩いて調査をされたというから頭が下がります。。
 
逗子市も空家が増加しており、今のところは空家の利活用という事業は進んでいませんが、人口減少、少子高齢化が進む中では、新しいハコモノをつくるのではなく、こうした既存の空家を利活用して地域コミュニティが活性化するようなそんな新しい取り組みを目指したいと思いました。