昨日、私の一般質問が終わりました。
(議会が空転し終了したのが午前1時過ぎだったため、原稿アップに時間を要しました)。


何よりも、今回の質問で大きく取り上げた事は、逗子市の防災無線の第一報が致命的なほど遅かったという事実です。

現状のままでは、震災時の迅速な初動体制をとる上で人為的かつ重大なミスが今後も繰り返される恐れがあります。

福島県のいわき市の一部海岸地区では津波情報が伝えられなかったため、口コミで情報を知り逃げた人と、逃げ遅れた人との間で命運が分かれたくさんの人たちが亡くなりました。

今回のように停電でテレビの地震、津波情報が入らない場合は防災無線情報は市民の生命線となります。


一体どのくらい遅かったのか?


それを調べるために今回津波の危険がある神奈川県内相模湾沿岸13市町に以下の項目を調査しました。

①震災発生後何分で防災無線を放送したか?
②どんな内容の放送をしたか?
③放送の決定はマニュアルなどに基づく所管判断か、首長による判断か。首長の指示があった場合はいつ指示が出されたか?

結果は・・


茅ケ崎市 0
鎌倉市 3
小田原市 3
三浦市 3
真鶴町 4
葉山町 7
平塚市 8
大磯町 9
藤沢市 12
二宮町 12
湯河原町 12
横須賀市 13
逗子市 28


(※数字は分後。なお震災発生時刻は14時46分。県内発生時刻は14時47分のため47分から計算すると例えば鎌倉市では2分後となりますがここでは46分からの計算として表記します。)


平均対処時間は約8分です。

相模湾沿岸の13市町断トツで遅かったという結果でした。

逗子市は、この調査からもわかるとおり震災から第一報まで28分の時間を要しています。

逗子市で防災無線が放送されたのは15時14分。

第一報の内容は大津波警報についてでした。

その後も津波に関する放送はされていますが地震についての放送はありませんでした。

内容についていえば、他市町では、津波の警戒、高台避難への呼びかけはもちろんのこと、震度5の地震が起きたこと、余震や火の元への注意、ラジオでの情報収集の呼びかけなど、大切なメッセージが流されています。

当日は停電しテレビも電話もつながらず、何が起きたのから分からず大変不安だったという声を聞くたびに防災無線がなぜ活用されなかったのか、と悔やまれます。

なぜ、ここまで他の自治体と逗子市との間で時間差が生じたのか?

一つには、多くの自治体がJアラートという緊急情報受信システムを使用し、地震や津波情報を受信すると同時に防災無線が鳴らされるシステムで対応したこと。

逗子市においてもこのJアラートを使用していましたが、Jアラートが自動で起動する設定が高すぎたために震度速報で5強を受信しても自動起動しなかったこと。

二つ目には、Jアラートが起動しない、もしくは自動で防災無線が鳴らない場合は、間髪入れずに首長が防災無線の指示を出していたこと。

ところが逗子市では市長による防災無線の指示が全くなかったこと。

三つ目には、首長の指示がなく、またJアラートの自動起動もない場合、防災課の職員が運営マニュアルに基づいて判断し防災無線を放送していたこと。

逗子市にもマニュアルはありましたが自動的に所管判断でなされる規定になっていませんでした。

これらの理由から防災無線が放送されるのが遅くなったのです。

つまり、他の自治体は地震情報や津波情報が自動システムか、マニュアルに基づき速やかに流しました。

自動的に流れない場合は首長が指示を出して、放送しているのです。

防災無線がオートになっておらず、首長が指示も出さないとしたらどうなりますか?

震災後100日以上たった今、Jアラートの設定もマニュアルも変えておらず、平井市長が指示を出さなければ、同じことが繰り返される危険性が十分あります。

あの時は大津波が来なかったから結果として大事には至りませんでしたが、小坪保育園の園児が披露山公園に津波の避難訓練をしたときは約20分の時間を要したということで、20分の遅れは子供や多くの市民の命を奪うことにもなりかねないと私は看過できない問題だと思っています。

以上のことから、今回の対応は危機管理体制において人為的なミスであったことは明らかです。

今回補正予算で防災無線の難聴地域解消に向けて対応していますが、どんなに精度の高い防災無線があったとしても、肝心な震災時に活用されなければ宝のもち腐れといえないでしょうか。

Jアラート設定見直し、運営マニュアルの細部の詰め、そして何よりも首長の的確な指示。

これら3点が改善されなければまた同じ過ちが繰り返されます。

逗子市民の命が犠牲にならないために、改善に向けて早急な取り組みを強く要望いたしました。