池子小学校から比較的高い数値のセシウムを含む土壌が
検出されたという問題についてインターネットを通じて
知ったという保護者の方から問合せをいただきました。


この数値結果などから、今後、どのように対応すべきか、
専門家や関係機関に照会した内容をご報告いたします。


まず、放射性物質に汚染された土壌の除染する方法に
ついて、総合防災ソリューションの甲元孝昌さん
(元原子力安全・保安院上斎原原子力保安検査官事)
にお尋ねしました。

除染する方法は次のとおりです。

① 線量の高いところを除土する(表面から深さ5センチ以上)。
排水施設の汚水溜め等は、中の土等を除去した後、
高圧の水で洗い流すこと。

② 除去した土をビニール袋に入れて口をしっかり縛る。

③ ドラム缶等の中に入れて蓋をする。

④ 可能であれば深さ1~2mの穴を掘り埋める。
  (最終処分処理を政府が決定するまでの間)
※福島市では汚染された土壌を2mの穴を堀り、
埋めているということです。

⑤ 埋設した場所については標識を立て管理しておく。

⑥ 除染した場所は、雨が降るとまた放射線濃度が高くなる
  恐れがあるので、定期的に線量を測ること。


逗子市は現状、深さ50センチ程度の場所に埋めたという
ことですが、(追記:埋めた個所は学校内の敷地ですが、
普段児童が立ち入らない場所でかつフェンスで囲い
鍵がかかっており入れないようになっているとのことです。)
今回の線量であれば深さ50センチの穴に埋めることでも、
空間線量は十分に落ちるはずであると甲元さんは
説明しています。

また、中学生のお子さんをもつ保護者の方から、こんな
問合せをいただきましたが、甲元さんは以下のように
回答しています。


Q.「保護者の間では、思春期の子どもが放射能に汚染された土を
触ったり、口に入れたりすると子宮にたまり不妊症になるという
噂がありますが、本当でしょうか?」

A.「セシュウムは身体に入ると、体中に蓄積されると言われて
いますが、蓄積されやすいのは、筋肉と言われています。
子宮に蓄積されるとは、どの専門家も言っていないと思います。
子宮というのは、風評の類だと思います」


また文科省の原子力対策支援本部に、自治体の学校現場の
放射線測定に関してはどのような指針を出しているかと
問い合わせたところ、空気線量の調査に関しては、以下の
手引きを通知しているとのことでした。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/09/09/1305069_2.pdf

この手引きによると、空間線量の値が高い異常値を示さなければ、
土壌に関しても通常は問題がないとのことです。

しかし、保護者の方が安心して子供たちを預けられる環境づくり
のためには、きめ細かい測定調査は重要課題だと思います。

もちろん、測定調査にはコストもかかる(1回あたり数万円)
ため、何を対象にどこまで実施するかは現行では自治体により
取り組みにかなりの差が生じています。

10月26日の内閣委員会では細野大臣が自治体が独自に行った場合、
どこまで支援できるか検討すると答弁しており、逗子市も横浜市
などと同様に「原発事故に伴い発生した行政コストは国に請求する」
という方針を持ちつつ、学校施設の土壌調査、学校給食の放射線量
調査などについて国の対応を待つことなくできる限り積極的に対応
すべきと考えています。

最後に、放射線被爆に関するQ&Aに関してはこちらの
放射線医学総合研究所資料のサイトが参考になるかと
思いますので、ご紹介いたします。

http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i20#13


こちらのサイトには、例えば・・

家庭において気をつけることとして、

野菜をよく洗う、煮る(煮汁は捨てる)、皮や外葉をむく、
などによって、汚染の低減が期待できるとしています。
また、放射性セシウムについては茹でることにより、
半分程度の除染効果が期待できるということです。

また、一部の野生きのこには放射性セシウムが高濃度に
蓄積されることが知られています。

現在市販されているキノコは人工栽培物が多く、
栽培のための菌床の濃度が高くならない限り心配は
ないということです。(平成23年9月27日更新)



このように、日常での疑問がわかりやすく掲載されています。

放射能に関することについては、わからないから余計不安になる
という側面もあるかと思いますが、今後とも私なりに情報収集に
努めると共に、関係機関に必要な対応を求めていきたいと考えています。