本日は、NPO法人逗子文化の会による『逗子のまちなみ別荘文化の活性化と継承』3年間の奮闘記発表会を拝聴してまいりました。

今、全国的にも数多くの希少な歴史的建造物が失われています。

震災や人災(放火など)所有者の経済的事情など理由は様々です。
逗子市においても、なぎさホテルが1989年に取り壊されましたが、一度失った建造物は2度と取り戻すことはできません。
「人もその人がいなくなった後に自分にとって大事だったことが分かる、といいますが、建築物も壊されて失ってから大事であったと気づくことがある」とパネリストの関東学院大学の水沼淑子先生がおっしゃっていました。

いかに、歴史的建造物を保存していくか。

本日の発表会では、全国の様々な事例を紹介しながら、歴史的建造物の保存、活用方法についての研究発表がありました。

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(NPO法人逗子文化の会 及川洋一氏)

東京芸術大学の椎原晶子先生のお話しでは、ある自治体では、市民団体が歴史的建造物を資産としてピックアップし行政にデータを渡したところ、行政側は老朽化した不良物件としてリスト化していたなんていうお話も・・(笑)

老朽化した建物を維持管理にお金がかかるだけのお荷物とみるか、
それとも街の歴史を共有している貴重な文化財とみなすか。

見方一つでだいぶ対応は変わってきます。

といっても、ただ保存するだけでは、修繕費などの維持管理費もばかになりません。

そこで、小田原市の清閑亭のように、市が所有しているが民間が運営するような形態を取るなど様々な利活用の方策を取るべきとのことでした。

例えば、古民家カフェ、お琴の演奏会、ロケ地、勉強会etc・・。

横浜市立大学の鈴木伸治先生は、
「これからの人口減少社会においては、ドーンとして再開発型のまちづくりは利益が見えない。
今後は再開発ではないリユース、リノベーション型の再利用のまちづくりを目指すべき」
と話されていましたが、私も大変共感いたしました。

人々の価値観も多様になり、働き方や住み方も変化する中で、まちづくりも今、従来のあり方から変化すべきターニングポイントにあるように思います。

逗子市にも旧脇村邸や郷土資料館、野外活動センターなど古い建築物が残されています。

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(閉鎖したままの野外活動センター)

これまでも市民有志の手によって保存活動がなされてきましたが、今後さらなる利活用の方法を模索すべきと考えます。

逗子のみなさんがさらに逗子の街に愛着をもって暮らすことができるように、
本日の伺ったお話を今後の提言に活かしていきたいと思います。

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(本日の会場となった蘆花記念公園第一休憩所)

★NPO法人逗子文化の会は、平成17年に公募市民130名による「逗子市まちづくり基本計画」素案がつくられ、その後旧脇村邸の保存活動などとあいまって、平成20年に発足した会です。
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http://zushibunka.blogspot.jp/様々なイベント、ワークショップも多く開催しておりますので、是非ご興味のある方はご参加してみてはいかがでしょうか。