逗子市が埼玉大学のご協力のもと実施した『逗子駅周辺交通実態調査』の報告会に昨日出席してきました。

大型スーパー出店に伴い、駅周辺の混雑がさらに予測されることから、私は昨年6月定例会の一般質問において交通調査の以下の提言をしておりました。


<逗子市議会会議録より抜粋>

『◎長島
駅前の交通整備について"お尋ねいたします。
 本市の駅前は、平成7年に大幅改修がなされ、本日に至っています。歩行者と自動車の接触事故は、18年前の改修前に比べれば減ったものの、駅前の交通渋滞は年々悪化し、市民の日常生活に大きな支障を来たしています。特に駅前広場の手前、県道と市道の鋭角に交差する地点では、車両交通の多さもさることながら、二つの信号機のない横断歩道が設置されており、そこには何ら歩行者と運転者の通行ルールがなく、大変危険な状況になっております。また、魚佐次前交差点の交通渋滞、更に駅前の一般車バースの一時駐車車両が引き起こす渋滞と先詰まり問題等、これらの課題が山積する中、今後、大型スーパー建設や駅ビルの計画も控え、ますます駅周辺の交通渋滞が懸念されます。
 歩行者の安全確保、車の円滑な通行のために、行政としても何らかの手だてを打っていく必要があると考えますが、市長に御所見を伺います。

◎市長
駅前の交通対策ということで、様々な問題点を御指摘いただきました。
 御指摘のとおり、それぞれの交差点がかなり渋滞、あるいは歩行者と自動車の交錯といった部分での課題があります。また、新築の商業ビルがここ数年で何件か計画されているというところで、こうしたことによる渋滞のさらなる課題を市としても対策をとっていかなければいけないというふうに考えております。
 ただ、ハード整備としては、今の状況の中では大変難しいというのが現実でございまして、その意味では、警察署とも連携して、警察としての取り締まりをしていただくことを含めて、市としては、啓発事業、あるいは必要に応じて注意喚起の看板等々設置しながら、こうした目の前の課題に対応していくということしかないのかなというふうに思っております。

◎長島
 先ほど市長からハード整備は難しいといったような御答弁をいただいたのですけれども、この点もう少し具体的にどういった課題があるのか、財政面の課題であれば、例えば幾らぐらい概算でかかると見込んで、難しいとおっしゃっているのか、もう少し具体的にお願いいたします。

◎環境都市部長
駅前広場の交通問題ということについて、あえて絞らせていただいてお答えいたします。駅前広場の交通問題、特に車の渋滞の根本的な原因というのは、駅前広場への自動車、人の一極集中ということです。それも朝の7時から8時と、雨天時には更に輪をかけて集中するということが非常に問題であります。先ほど議員のほうから御質問に最初ありましたように、平成7年3月にここは完成しております。このときには当然にして現況の交通量から今の形にするに当たりまして、平成7年3月に完成しておりますが、平成12年までは12%の交通量の伸びで緩和できるという試算のもとにやったわけでございます。
 その後、調査等はしておりませんが、平成13年4月に交通量調査から交通解析を含めた調査をしております。その中で検討しておりますが、やはり一般車バースの前、みずほ銀行前でございます。歩道を移動しましたけれども、当初は横についておりました。あれが先詰まり現象を起こして、これが交通渋滞の原因であるということが分かりました。それについては対応しております。今後につきましても、それぞれ原因を究明しながら、それぞれ対応していかなければならないだろうと考えております。

◎長島
今、部長の御答弁もありましたとおり、特に朝の通勤時間帯、午前7時から午前8時にここに車が一極集中ということで、今どう考えても異常な状況になっております。平成17年に策定された逗子市交通安全計画の中にも、朝の通勤時間帯を中心とした交通渋滞の緩和には早急な対応が必要というふうに載っております。
 交通量調査については、平成13年に解析を含めて行われたということなのですけれども、もう10年以上たっておりますし、これは改めて交通量調査をやる必要があると思うのですが、いかがでしょうか。

◎環境都市部長
御指摘の逗子市交通計画を引用していただきましたけれども、交通計画を立てるに当たりましては、課題といたしましては、当初の交通問題、それから将来的なまちづくりへの対応と大きな柱といいますか、視点で考えなければいけないだろうと。また、その中でも人に優しい歩行者の安全は考えなければいけない。それと、渋滞緩和、そして都市の防災機能の強化に、大きなまずは交通問題の解決に向けての柱があるかと思います。いずれにしましても、その辺の解決へ向けて取り組んでいくわけですけれども、そのための基礎調査が必要だということは御説のとおりかと思いますが、今、その辺につきましては検討していく余地があるのではないかと思っております。

◎長島
平成13年のときに交通量調査と、また交通解析のほうもやられたということなのですけれども、今はコンピュータでどういった整備をすると、どのように交通量の流れが変わるかが分かる道路交通シミュレーターのようなコンピュータシステムも数年前に比べて格段に進化しております。交通量調査、交通解析というのは、机上のみで施策を展開するよりは、きちんとこういったコンピュータシステムで効果を検証してから、それで市の財政状況も鑑みて、計画を作っていくことが非常に効果的だと思うのですが、市長におかれては、この辺の交通量調査、それから交通解析に関して取り組んでいくお考えがあるか、市長にお尋ねいたします。

◎市長
先ほど申し上げたとおり、なかなかハード整備というのは、限られた道路交通環境の中で実施するというのは、逗子市の場合にはかなり難しい課題だと思います。直近では池田通りが電線類の地中化によって、かなり整備されます。それとても渋滞緩和に恐らく寄与するとは思えません。一にも二にも、流入する車の量をいかに抑えるかということで、その意味では公共交通への誘導、歩行者と自転車を優先するまちというソフト面での対応というものが今のところ逗子市として対策が可能な領域かなと思っております。

◎長島
市内の方にそういった公共交通を促して、車の流入を防ぐようなソフトでの政策を打っていくということなのですけれども、それはそれでもちろん大事なのですけれども、あそこのJR逗子駅というのは、逗子市民だけではなくて、葉山町や横須賀市、鎌倉市の住民も車を使って、あそこに一極集中しているという実態がございます。なので、そういった現実を考えたときに、一定のハード面での整備も行わないと、今後、駅ビルだったり、スーパーが建設されたときに、更に車の流入が増えて、非常に歩行者の安全の確保というのも難しくなってくると思うのです。
 そういった意味でなかなかこれを一度にどうやって解決するかというのは、先が長い道のりだと思うのですけれども、まずは今、現状どうなっているか、交通量調査をするというのは私は必要だと思いますので、市長におかれては、この交通量調査を実施するのか、お答えいただきたいと思います。

◎市長
駅前の商業施設がここ数年で建て替わって、あるいは新設されるという状況がありますので、そういった状況を見極めながら、当然対策が必要になってくるというふうに私どもも想定しております。したがって、今、御指摘のことは十分と受け止めながら、必要に応じて調査ということも検討したいと思います。

◎長島
何となくハード面での再整備が難しそうだとか、見極めるというか、ずっと見ているだけというか、まずは交通量調査をしていただいて、科学的にどれだけの車が流入してきて、どういう流れになっているのかというのをきちんと把握した上で、それで例えばA案、B案、C案であれば、それぞれに幾らかかるのかとか、またどういった具体的な課題が出るのかといったことが出ると思いますので、まずは第一歩として、きちんとした調査の実施を強く要望したいと思います。
 それから、鋭角の交差点については、これから夏に向けて、市外の車も多く流入してまいりますので、そこの近くに住んでいられる方から、御高齢の方が横断歩道を渡っていて危ない状況を何度も目にしているということでしたので、ここについては早急な対応をお願いしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

◎市民協働部長
多分御指摘のところは、例の横浜銀行前、ひつじ屋の前の辺りの特殊な交差点のところだと思います。確かに両方から入っていきますので、危険なことはあると思います。歩行者、あるいはドライバーの方に、そういったところで注意啓発のような看板等、もし邪魔にならない程度であれば置きたいと思いますし、またうまく交通の仕方というところで警察とも相談いたしながら、スムーズな交通ができるような対策を考えたいと思います。

◎長島
今はまだ大きな重大な事故は起きていないのですけれども、これについては警察のほうとも協議して、しかるべき対応を図っていただけるということでしたので
、よろしくお願いいたします。』

逗子市議会会議録より引用>

引用が少々長くなりましたが

こうした議会でのやり取りののち、多くの市民の方のご協力をいただく中で昨年10月に交通実態調査を実施。その後、数か月にわたりほぼボランティアで埼玉大学久保田研究室のみなさんが逗子駅周辺の交通状況を解析し、コンピューターで交通シミュレーションを作成してくださいました。ありがとうございます!!m(__)m

①どこから入ってどこにいく車なのか?
②どこがボトルネック(問題点)なのか?
③バスなどの公共交通への影響はどのように起きているのか?

などの状況を分析していただきました。
動画でお見せできないのが残念なのですが、車の動きをアニメーションで再現したものも見せていただきました。

 


この分析により、、、
◆鎌倉、葉山からの流入、流出が多く通過交通の割合も多いこと
◆買い物目的の路上駐車が多いこと(2時間で3商店街合計約100台)
◆区分レーンがないことからバスの運行に支障をきたしている

などの問題点が洗い出されました

改善策としては、、、
◇商店街近くにフリンジ駐車場を設置する。
◇新逗子駅前交差点に右折レーンを設置する。
◇JR逗子駅前交差点のレーン進行方向を改善する。
◇なぎさ通り出口にレーン区分を導入する
◇なぎさ通り出口の信号を変更する
等々の改善策が示され、またそれによる効果まで数値で示していただきました。

すでに市民団体の方が任意で調査をされて、例えば新逗子駅前交差点の右折レーン設置は過去警察にお願いをした経緯があったそうですが、データによる裏付けがなかったために実現に至らなかったということです。

この報告会には、市長はじめ、警察、タクシー会社、等々の関係機関の方々も出席され、情報を共有していただきましたので、今一度整備に向けて動いていただけるよう期待したいところです

新年度予算には残念ながら交通量調査の予算が盛り込まれておりませんでしたが、是非今後もさらに本格的な調査を続け、少しでも駅周辺の交通渋滞が解消されて、市民のみなさんがストレスなくお買いものや通勤ができる安全で快適な道路整備がなされるよう私も引き続き要望してまいりたいと思います。

ちなみに、この交通シュミレーションの提案は、ITに詳しい友人のTさんから情報提供をいただいたものです!!日々進歩するIT技術の活用で、今までは解決が難しかったことも道が開ける可能性を感じました!!この場をお借りして深く御礼申し上げますm(_ _)m