オバマドクトリンに期待する! | 『改国救世』サイトより

オバマドクトリンに期待する!

 北朝鮮のミャンマー化、ベトナム化は可能である!

                2012年1月27日

米国は北朝鮮の核兵器棚上げで、北朝鮮のベトナム、ミャンマー化推進を図るべし!


■北朝鮮は生き残るならば、ミャンマー、ベトナムに学べ
■北朝鮮の未来は、韓国、米国、日本サイドに国家の基軸を転換することにある!
■米国は核兵器保有国の北朝鮮と、北朝鮮の「核兵器棚上げ」してでも注意深く友好促進を計り、ミャンマー化、ベトナム化を実現すべし!
■米国は北朝鮮をミャンマー、ベトナムのごとくに中国から切り離して、開国させる使命がある!


★2011年秋、ミャマーが大きく米国サイドに舵を切った。ミャンマーは中国の支配を恐れ出したのだ。中国はアジアでも、アフリカ各国でも、援助に名を借りた、現地のインフラ整備を巧妙に行い、やがて中国人を大量に送りこむ。有り余る人口豊富な国ならではの国家戦略が徹底している公式のやり方であります。

昨今のチベットに対するインフラ整備から、大量の中国人・漢民族中国人・を送り込みチベットの共産党政権の支配を強固にしていますが、この中国内部での同じ方式がアジア、アフリカ各国でも取られています。アフリカの各地でも強力に中華戦略が徹底的にすごい勢いで行なわれているのです。

■中国は海洋への出口国家としても、政治戦略的、軍事戦略的にもミャンマーを重視し、独裁政権と結託してきた。その為にミャンマーの独裁軍事政権が長く続き、民主化と産業化が遅れて、躍進基調にあるアジア諸国の中で、唯一例外国家として、北朝鮮と共に経済的にも最下位の低迷国家になっています。ミャンマーの人口は5000万人、一人あたりの一カ月の収入の平均は、2500円・日本の100分の1と言う惨憺たるものであります。
ミャンマーの中北部の都市・マンダレー(ヤンゴンに次いで、ミャンマー第二の都市)などはこの中国の覇権的な戦略化により、完全に第二の中国化の様相になり、中国支配下都市のようになってしまい、ついにミャンマーは中国の恐ろしき意図を察知して、米国サイドに接近したのであります。

この事を良く理解して、ミャンマーを上手に米国サイドに転換させた、オバマドクトリンの米国の外交的な政治力も侮れないものがありさすがだとも思います。

■私がかつて米国・ワシントンDCに在住していた時も、当時はバーマ・(ビルマ)と国名でしたが、親日的で大使館関係で良く我らの日本レストランに来てくださいましたし、建国の記念日などは、大使館でのパーテーに「天婦羅やお寿司などの我が日本食」メインのケータリング・会場の出店など手伝いました。まるで日本大使館のパーテーのようでもありました。近年まで続いた軍事独裁政権以前の時代で大使館には独立、建国の父・アウンサン将軍の大きな肖像画が掲げられていたころでした。日本軍とともに独立を戦ったアウンサン将軍のビルマは本当に日本に心情的に近い国だと実感していました。

★人口5000万人、東南アジアでは人件費が一番安く、一か月2500円くらいです。今後日本の企業も大きく投資するでしょう。そして、米国、日本、韓国・・などなどと絆を結び急速に発展するでしょう。特に親日である点はインドと共に日本は大切にお付き合いしてゆくことが他国にも増して大切であると思います。日本としっかりと手を組めば、一気に?ミャンマーは立ち直り、発展基調になるでしょう。

■★出遅れていたベトナムも1960年代半ばから、1975年4月末日まで米国と、第二次朝鮮戦争とも言われた戦い、戦争をしてきた米国とは怨讐関係にあった国ですが、戦争が終われば米国は「怨讐を愛せよ」のキリスト教精神で、ベトナム再建にも協力してきた。ベトナムはいまだに共産党の国ではありますが、米国の寛大さの中で、自由世界と違和感なく交流を深めて、日本からも多くの投資が行われていて、メコンの奇跡?とまで言われる「ドイモイ政策」はベトナムに繁栄をもたらしています。

★ベトナム人の一カ月の月収がかつて15年前には3000円~4000円であったものが、国を開き10000円程に短期で上昇しているのです。私も米国、ワシントンDCエリアで6年間以上生活していましたが、特にベトナム人の青年とは同じ館に一緒に生活していた事もあり、私たちの職場にもベトナム人が働いていました。ホントに勤勉で気持ちの良い方達で高感度ある方々ばかりでした。
ワシントンDCエリアにあるベトナムレストランは何時も大繁盛でしたし、大学にも多くのベトナム学生がいました。アメリカはキリスト教の伝統下、昨日の敵は今日の友であります。なんで戦争なんか長期にわたってしていたのか?と不思議で有りました。ミャンマーの青年も我がレストランで働いていて、社交的で人気者でした。個人的には、共に生活し、共に働く中でベトナム人、ミャンマー人が体験的に大好きになりました。

■なぜこのような事を書いたのかと言えば、北朝鮮は、中国のひも付き国家ですが、ミャンマーの政権交代を基点に、米国サイドにミャンマーが転換されたように、北朝鮮も新しき指導者のもとで可能性があってほしいからであります。中国のことを誰よりも良く裏も表も解っているのは北朝鮮でありましょう。中国無しでは生きてゆけない現状がありますが、中国の独裁の恐ろしさをも誰よりも良く知っているのです。ミャンマーのように大きく舵を米国、韓国、日本再度に転換すべきぎりぎりの時であります。これはひとえに米国の出方にあると考えます。

★核兵器を捨てる事が出来ない北朝鮮に対して、「核兵器そのまま結構=核棚上げでミャンマー、ベトナムなどのように北朝鮮も友好親米に舵を切りませんか!」とアメリカが大きく、大きく腹を決めれば、全て良く行くのでしょう。米国が自らは巨大な核武装国家のまま、相手国・北朝鮮にだけに「核廃棄」を押し付けるのは、本当はフェアーではありません。そのままの、核国家=北朝鮮と米国が核にのみこだわらずに、ミャンマーでの成功例のように立ち向かえば、北朝鮮を、米国、日本、韓国サイドに向かわせられる可能性が残っています。

■北朝鮮を中国の支配とくびきから解放する事が出来るのは、米国の国力と政治力しかありません。餃子事件、尖閣事件等を見れば、解かるとおり、ミャンマー、チベットを見れば解かるとおり、中国と強き絆=同盟関係を結んで、幸福になれるはずはないのです。中国共産党は6500万人の同胞を粛正して殺害してきたのです。いまだに罪の時効は成立せず、中国は精神の世界でリーダー国家には成る資格が当分はあり得ないのです。
★北朝鮮が国を開く方法は、米国と組んで独裁国家中国と分立することであります。革命的な戦略転換でありますが、ベトナム、ミャンマーを参考にすべきであります。米国の「腹・ハラ」、度量が大きくあれば可能なように考えます。米国はベトナムで長期に渡り大戦争を、第二次「朝鮮戦争」を戦いました。今は過去を水に流して米国との友好は強き絆が出来ているので、ベトナムは世界から投資を呼び込み発展しています。

■★高名な宗教指導者であり、韓半島、北朝鮮、平安北道出身の、文鮮明師は、「米国が自分だけ核を持っていながら、相手には放棄せよ !と言うのは理屈に反しているのです」と言われた事を、米国で直接にお聞きした事を鮮明に覚えています。そしてビルマ・ミャンマーの民主化転換の決定的な今、文鮮明師の言葉を思い出しました。

★北朝鮮が国を開けば、韓国、日本、米国・・から投資がなされて、ベトナム、ミャンマーと同じく多く投資がなされて、躍進するベトナムのようになる事は間違い無いでしょう。北朝鮮の一人当たりの収入は韓国の100分の1であり、悲惨極まりないものであります。300万人もの同胞を餓死させている北の政権には正当性がありません。食糧をも作れず、買えづにずに、韓国、米国、などなどのお情けの食糧支援で生き延びている国家支配者には天罰が下されるべきでしょう。

米国は度胸と最大の注意力で、金一族3代目の政権と、核武装国家同志の対話を始めるべき時であります。「北朝鮮の核兵器を棚上げ」して、北朝鮮を開国へと導くべきであります。要注意ではあっても、アメリカが北の核武装を恐れる事などあってはならないのです。

■注:このような「無謀で幻想的な」とでも言える考えを持っていたら、共鳴する一文が目にとまりましたので添付致しました。「日経ビジネスオンラインメール」からであります。ミャンマーの発展を祈り、北朝鮮の開国を祈念しながら。


   

    次は北朝鮮に触手?米国、中国包囲づくりへ全力

      

         ミャンマーとの“取引成功”をモデルに

            鈴置 高史  【プロフィール】
          

                2012年1月24日(火)
★ミャンマーは国運をかけて米国と取引した。同国が「民主化」に動くと、米国は直ちに関係改善で応えた。日本も対ミャンマー投資に乗り出した。中国と深い関係にあったミャンマーは、一気に西側と撚りを戻すことに成功した。では、ミャンマーとよく似た境遇にある北朝鮮が、その手を使うことはないのか。


変身へ、3つの理由
■1962年以来、軍人が率いて来たミャンマー政府は2010年11月、反政府指導者のアウンサン・スーチー氏の軟禁を解いた。11年10月には政治犯を釈放。さらには野党の活動も認めたため、11月、同氏らが率いる国民民主連盟(NLD)が政治活動を再開した。
 ミャンマーの人権侵害・独裁を批判して経済制裁を主導してきた米国は翌12月、クリントン国務長官を同国に送って「改革への評価」を伝えつつ「政治犯全員の釈放」など、その徹底を求めた。
 ミャンマー政府はこれに応えた。12年1月、政治犯を大量に釈放したうえ、少数民族との和解を発表。すると今度は米国が「代理級」に格下げしていた大使の派遣手続きを開始、制裁解除にも動いた。日本も同月に枝野幸男経済産業相と経団連の代表を送り、経済関係強化に乗り出した。

★同国の専門家によると、ミャンマーの突然の変身の理由は3つ。まず、2010年末から中東・アラブ諸国で相次いだ長期独裁政権の崩壊だ。この波及をミャンマー政府は恐れた。 次が中国による支配への恐怖だ。隣の大国である中国が援助の名目でインフラを整備したうえ商人を大量に送りこみ「第2の都市マンダレーなどは中国の一部と言って差し支えない」(西側外交官)状況だ。
■3番目が経済発展の出遅れだ。先発のタイから、最も遅れて開放に踏み切ったベトナムまで含め、東南アジア各国は先進国の投資を受け入れ急速に豊かになった。だが、西側の制裁対象となったミャンマーだけが昔ながらの農村国家として取り残されている。


北でも高まる政権への反感
■この3点は北朝鮮の政権が直面する難題と全く同じだ。北でも政権への不満と反感は急速に高まり、住民と治安機関の衝突も起きている。恒常的な食糧不足のうえに2009年の貨幣交換を通じ、庶民はもとより党や軍の中堅幹部まで現金と預金を政府に召し上げられたからだ。貨幣交換を担当した担当大臣に責任を被せ、公開銃殺せざるを得なかったとされる。

■北朝鮮では組織的な反政府運動は確認されていないが、1990年代半ばの飢餓以降、闇市場で生計を立てる「市場勢力」が生まれ、潜在的な反政府勢力となっている。軍部隊による食糧略奪も日常化していると言われ、食糧暴動に端を発した中東の独裁政権崩壊劇は、北指導者の恐怖感を呼んだに違いない。
中国による支配は北朝鮮でも着々と進んでいる。北朝鮮の通貨ウォンは2009年の通貨交換以降いっそう弱くなったため、商人はドルに加え最大の商品供給地、中国の人民元を多用する。また、日本海側の港湾、羅先は中国が埠頭を租借した。羅先と中国をつなぐ道路、橋梁も中国の人民解放軍が建設している模様だ。
 経済は「出遅れ」どころではない。北朝鮮の実質国民総生産(GDP)は韓国の百分の一程度と推計される。外国から資本と技術を導入する「開放」と、社会主義システムを市場化する「改革」しか経済回復の処方箋はない、という意見が北の幹部の中にさえ広まっている。


「リビア」ではなく「小中国」に
■最近、東京で開かれたあるアジアに関する研究会で、こうしたミャンマーと北朝鮮の類似を念頭に「北朝鮮も?突然の変身作戦?に出る可能性はないのか」との意見がミャンマー専門家から開陳された。
 ミャンマーの“変身”がトップの交代をきっかけとしていることから、故・金正日総書記から三男の金正恩最高司令官に世代交代した北朝鮮も路線を変えやすいはず、との見方も示された。
★これに対し朝鮮半島専門家は「米国は北朝鮮に核開発を止めるよう強く求めており、これが関係改善の前提条件だ。一方、北朝鮮が核を放棄する可能性は極めて低いので、“北の変身”による米朝和解はまず、ないだろう」と答えた。
 北朝鮮は過去数度に渡って外国導入計画を発表するなど、部分的な開放政策は模索してきた。また、中国による支配を避ける意味からも、米国との関係改善は望んでいる。
■しかし「小なりといえど中国のように核兵器を持てば大国になめられなくなる」と強く信じ、核保有を最大の国家目標とすることには新政権も変わりない。北朝鮮が最も避けたい“お手本”がリビアだ。カダフィ大佐は核開発を断念し米国の怒りの鉄槌を逃れたが、最後には北大西洋条約機構(NATO)軍の攻撃も受け、殺されるに至った。
★イラクの核施設を空爆し破壊した、そしてこれからイランの核施設を空爆しそうなイスラエルに相当する国は、北周辺には見当たらない。米国も1990年代にはそれを検討したが、第2次朝鮮戦争を引き起こす懸念から断念した。韓国も左翼の宣伝が浸透し「北の核は対日、対米用で我々には使われない」と信じる人が増えた。


中国封じ込めのために、米国と北朝鮮が近づく
■北朝鮮経済の生殺与奪を握る中国がとてつもなく強力な圧力をかけない限り、北朝鮮が核開発を止めるとは考えにくい。そして中国も米国を考慮すれば、北朝鮮の核開発を本気で止める気は起きないだろう。もし、北が核を放棄すれば米朝間の関係改善を阻止する最大の材料がなくなってしまう。

★北朝鮮が孤立の度を深めて冒険主義に出るのは中国にとっても困るが、かといって米朝の関係改善が進み過ぎるのも困る。北朝鮮は中国にとって、あくまで東の端の緩衝地帯だ。我が掌中のものになったと喜んでいた西南の隣国ミャンマーを、まさに今、突然、米国に引き戻されたばかりなのだ。

■では、「米―ミャンマー」に続く、米朝接近はありえないのだろうか。まだ、少数意見ながら朝鮮半島専門家の中には「北の核放棄」ではなく「米国の核棚上げ」によって起こりうると予測する人もいる。以下の理由である。
 「太平洋に勢力を伸ばす中国の軍事的封じ込めを米国は決意、2011年11月のオバマ大統領の豪議会演説でそれを宣言した。そんな米国にとって、北朝鮮の核開発阻止よりも、今や、北朝鮮が中国に完全に取り込まれることを防ぐ方が優先度の高い目標になったはずだ。米国は『核』に関するハードルは下げても、北朝鮮との関係改善に動くのではないか」

★例えば、羅先港に租借した埠頭に中国海軍が潜水艦の根拠地を設ければ、米国と日本の日本海での海上優勢は一気に揺らぐ。だが、米朝が関係を改善すれば、中国による軍港化を阻止できるかもしれない。

★米国がミャンマーとの関係改善を望んだ理由の1つが、インド洋を睨む大ココ島にあると言われる。中国はミャンマーからこの島を借り、レーダー基地を建設した。もちろん、インド洋進出のテコのひとつだ。


「米朝関係に新たな章」
■「米朝接近説」からすると、見落とせない動きが今年1月19日にあった。キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)がワシントンのシンクタンク、ヘンリー・スティムソン・センターのシンポジウムで実に微妙な発言をしたのだ。
 「我々は、核問題など様々な問題に明確に対処するための新たな章を開始する準備ができているということを、公式あるいは非公式チャンネルを通じて(北朝鮮に)明確に明らかにした」

 ★キャンベル次官補は11年12月の韓国・中央日報とのインタビューで「(北朝鮮に)生産的な結果をもたらす、驚くような政策を準備中」とも語っている。「新たな章」や「驚くような政策」の中身は明らかにされていない。だが、確実に言えることは、ミャンマーに対してと同様に、北朝鮮とも関係改善を図りたいとのサインを米国が明確に発信し始めたことだ。


「新グレート・ゲーム」の始まり
■昨年末、米国は政治的、軍事的な中国封じ込め政策を発表するやいなや、親中国家のミャンマーに手を突っ込んだ。すると、中国が韓国に迫って自由貿易協定(FTA)交渉入りを飲ませ、米陣営に触手を伸ばした(ニュースを斬る「中国ににじり寄る韓国」)。今度は米国が、中国と関係の深い北朝鮮に甘い声でささやきかける。陣取りゲームが始まったのだ。

★19世紀から20世紀にかけて、大英帝国とロシア帝国はユーラシア大陸のあちこちで「陣取りゲーム」を繰り広げた。それはチェスにたとえられ「グレート・ゲーム」と呼ばれた。アジアを舞台に米国と中国が争う「新グレート・ゲーム」。これからどんな予想外のことが起きても不思議ではない

  

    ※上記論文は、「日経ビジネスオンラインメール」2012年1月24日:引用