こんにちは。長瀬智美です。

本屋に行けば「本当にやりたいことの見つけ方」「天職さがし」といった本が平積みされ、SNSを開けば「自分のWant to(心からやりたいこと)で生きよう」という言葉が溢れています。

あなたも、そんな言葉に背中を押されてノートを開き、「やりたいことリスト」を書こうとした経験があるのではないでしょうか。
「時間を忘れて没頭できることは何か?」「お金をもらえなくてもやりたいことは?」
そんなコーチングの定番の問いに答えようと、お気に入りのペンを握る。

でも、3つか4つ、ありきたりなことを書いたところで、ピタッと手が止まってしまう。
無理やり100個ひねり出そうとしても、出てくるのは「旅行に行きたい」「美味しいものを食べたい」といった消費の欲求ばかり。

「私には、人生を賭けて心から熱中できるものなんて何もないのかもしれない」
「だから、いつまで経ってもビジネスで行動できないんだ」

そうやって自分を責め、高額なコーチングを受けたり、自己理解のオンラインサロンに申し込んだりして、「本当の自分探し」の迷路をさまよっている。わかります。私もかつて、ストレングスファインダーや数秘術、ありとあらゆる自己分析ツールに何十万円も課金してきた、重度の「自分探し難民」でしたから。

でも、あえて残酷な事実をお伝えします。

「やりたいこと」が見つからないのは、あなたに情熱がないからでも、才能がないからでもありません。
それは、あなたが生物として極めて「正常」である証拠です。

「やりたいこと探し」という合法的な現実逃避

自己啓発やコーチング業界では、「本当にやりたいこと(Want to)が見つかれば、モチベーションに頼らずとも自然と行動できるようになる」と教えられます。
この言葉は、行動できずに苦しんでいる人にとって、甘く優しい麻薬のように響きます。

「私が今動けないのは、今のビジネスが『本当にやりたいこと』じゃないからだ」
「天職さえ見つかれば、私もあの成功者のようにバリバリ動けるはずだ」

そう信じ込ませてくれるからです。
しかし、冷静に考えてみてください。
「やりたいこと」を探している間、あなたは現実のビジネスにおいて何か一つでも価値を生み出しましたか?
ブログを1記事でも書きましたか? お客様に商品を提案しましたか?

何もしていないはずです。

つまり、「やりたいこと探し」とは、痛みを伴う現実の作業(発信やセールス、顧客とのやり取り)から逃げるための、もっともらしい「言い訳」に過ぎないのです。
「まだ自分探し中だから、今は行動しなくても仕方がない」と、自分を正当化するための娯楽。それが、あなたがやっている「Want to探し」の正体です。

脳は「行動の恐怖」を隠すために、思考を停止させる

では、なぜあなたは「やりたいこと」を紙に書き出すことすらできないのか。
それは、あなたの中に眠れる情熱がないからではありません。

あなたが無意識のうちに、「もしやりたいことを見つけてしまったら、それを実現するために『行動』しなければならなくなる」ということを、本能レベルで察知しているからです。

私たちの脳と身体は、未知の行動(他者からの評価に晒されることや、失敗するリスクを負うこと)を「命の危機」として極端に恐れます。
だから、あなたがノートに向かって「何かやりたいことはないか」と思考を巡らせた瞬間、脳は危険を察知し、強力な防衛システム(ブレーキ)を作動させます。

「これ以上考えたら、行動させられてしまう。それは危険だ!」
そう判断した脳は、あなたの思考回路を強制的にシャットダウンします。
その結果、頭が真っ白になり、ペンが止まり、「私にはやりたいことなんて何もない」という結論に落ち着かせるのです。

あなたが「やりたいことがない」と悩んでいるその状態は、決して心が空っぽなのではありません。
行動に対する異常な恐怖(自律神経のバグ)が強すぎるあまり、出力回路が物理的に塞がってしまっている状態なのです。

自分探しを終わらせ、「行動のバグ」を解除する

ビジネスの世界で結果を出している人たちは、「心からやりたいこと」をやっているから成功しているわけではありません。
彼らは、やりたいかやりたくないかという「感情」を横に置き、ただやるべきことを淡々と実行できるフラットな身体のシステムを持っているだけです。

もしあなたが、いつ終わるとも知れない「自分探しの旅」に嫌気がさしているなら。
今日を限りに、ノートにやりたいことを書き出すのをやめてください。

あなたに必要なのは、隠れた才能を見つけることでも、情熱を燃やすことでもありません。
「行動しようとした瞬間に、身体が恐怖を感じてフリーズする」という事実(エラーログ)を冷徹に観測し、その物理的なブレーキ(バグ)をシステムとして解除(デバッグ)することです。

私は長谷川氏の「人生のデバッグ」という概念を知り、自己分析のノートをすべて捨てました。
「やりたいこと」なんて見つからなくてもいい。
ただ、手が止まる瞬間の自分の身体反応を処理し、エラーを一つずつ潰していくだけで、気づけば息をするようにブログが書け、セールスができるようになっていました。

「天職」という甘い幻想を捨て、ただ目の前の現実を動かす「デバッグ作業」に向き合う覚悟はありますか?
自己理解という名の娯楽からログアウトし、大人のビジネスを始めるための残酷な真実は、こちらのメルマガで語られています。

自分探しに終止符を打ち、行動回路のバグを直す「デバッグ」の全貌はこちら

長瀬 智美