アイソトープで卵巣腫瘍が見つかって
1年くらいが経って

わたしはようやく調べ始めた



卵巣腫瘍や病院について


今かかっている病院では
開腹手術しかできないから
体の負担を減らすため
腹腔鏡手術ができる信頼できる病院を探した


まずは本を買って何があるのか調べた

県病院のがんセンターにも行った


ここでスタッフに卵巣腫瘍について聞いたが
特に詳しいことは聞けなかった

そのかわりに産婦人科があるので
どんな治療になるか先生に聞いてもらえた


でも……

返ってきたのは
卵巣腫瘍の程度にもよるが
最悪の場合、子宮、卵巣を全部摘出することになること


知ってはいたけど…
というかまだ検査もしてない段階で
それを20代後半の人に言えちゃうんだなーと思った


そのときそのがんセンターに
気さくなおばあさんがやってきて
わたしはこの人に救われた


そのおばあさんはスタッフと知り合いらしく
楽しそうに話していた

スタッフはそういえば……と聞いてくれた


おばあさん元々体の一部にがんが見つかって
(どこかは忘れてしまった……)
どんどん転移して
今じゃ全身がんだらけなこと

卵巣や子宮もがんになって摘出したと


近くに婦人科の腹腔鏡で有名な先生がいること


おばあさんは元医療従事者で
いろいろな意見を知ってたり聞いてるけど
やっぱりその先生がよかったと
教えてもらえた


わたしはその先生に興味がわいた


そしておばあさんから言われた


若いのにつらいね
ちょうど年頃で結婚や妊娠だって
まわりから言われるだろうに

その先生はそのへんも真剣に考えてくれる

今はまだ片方の腫瘍だけなら残る部分があるかもしれない

こども生める方法探してくれると思うと


わたしはそこでようやく泣いた
つらい思いをわかってくれる人がいて
言葉にしてもらえて
先生まで教えてもらえて嬉しかった



この帰りスタッフは
若い人に酷なことを言ってしまったと
謝ってくれた


それよりもおばあさんに会えたことが嬉しくて
まだ未来があるとはじめて思えた