アイソトープ当日までに準備することがある


甲状腺ホルモンを体からなくすこと
ヨウ素のない食事をすること


これはアイソトープが
甲状腺ホルモンやヨウ素に反応する性質のため
できるだけ取り除いておくのがいいらしい



そしてそれはアイソトープの4週間前から始まる

まず薬を持続性のないものに変える
いま飲んでる薬は薬の効果が半減するのに
1週間かかるらしい

それが早くなくなるものを飲む

1日1回服用だったのが1日3回になった

それを2週間続ける


だんだん薬を飲む前に
えらくなってくるのがわかった
だるいというかぼーっとするというか
やる気がないというか……


次の2週間は薬をなにも飲まない


それと同時にヨウ素のない食事を始める

アイソトープ用のレトルト食品があるのが
よくわかるくらいこの食事制限は大変だった


わたしはレトルト食品なしでやってみた


食べれないものは海産物
(海のものにはヨウ素が入っているらしい)

これだけ聞くと簡単なことに聞こえるので
ついうっかり自分でやる!と言ってしまうと大変な目にあう…
絶対レトルトの方がオススメ


まず出汁が食べれない
かつおだし、こんぶだしは海のものなのでNG
使えるのはしいたけだし、鶏ガラスープ、コンソメスープ


そして魚はどれも食べれない
1日に少しだけなら大丈夫…と言われるが
その量も少なくて
それなら食べないのと変わらないと思った

魚も寿司も刺し身も魚の天ぷらも
タコもイカも魚卵だって食べれない


一番困ったのは調味料

市販の醤油や味噌には
かつおエキスや昆布エキスが
すでに入ったものが売られている

これらがないと味付けがほとんどできない
(だしもないんだから……)
マヨネーズ、ケチャ、ソース……


でもここでまた問題なのが
乳化剤と増粘多糖類

これらは海藻由来のものが多いからできるだけとらないように……と言われた

マヨネーズ、ケチャ、ソース、ドレッシング
どれも表示を見ないと食べれなかった


お菓子やお茶…お茶のどれかには昆布エキスが入ってるから日常的に飲まないでと言われた
何に入ってたかは忘れてしまったけれど


それだけ制限があって食べれるものと言えば
肉か野菜
しかも味付けに注意が必要


そして薬を飲まない生活……

とてつもなくつらかった

体は重くてしんどくて
考えるのもしんどくてぼーっとして

好きなものも十分に食べられないし


もし甲状腺の薬がなくなったら
このまま死んでいくのかなと思った

えらくてしんどくてだるくて


甲状腺全部とるってとても怖いことだと
このとき思った
でも左にも転移再発の可能性があるって言われて……

もうどうすることもできない


すごくすごくいっぱい泣いた

つらくてつらくていっぱい泣いた



そんなとき必死で見つけた
昆布エキスやかつおエキスの入ってない醤油と味噌

これだけですごく嬉しかった

味の幅が広がって


なんでも食べれる今だと
昆布エキスとか入ってたほうがおいしく感じるけど
当時はやっぱり嬉しかったなー


今でもその醤油食べたくなるけど
やっぱりなかなか売ってない