母は嫌々ながら電話をかけた

家を出て一度もかけたことはないといった


電話に出たのは祖母だった


祖母は驚きながら…怒った



家を出てから一度も連絡をしなかったことを
突然、離婚したいと母の実家から連絡受けたことを
自分の口でなにも言わなかったことを


母はただごめんなさいと泣いて謝るばかりだった


父に会いたがっていると言うと
祖母はわたしに電話をかわってほしいと言った

話し方がわたしにそっくりだった
感覚的に、、、自分の祖母だとわかった


それを見て母はさらに泣いていた


でもわたしが会いたいのは父親
いままで生きてきて聞いたことのない父の声、見たことのない顔

祖母に父に会えないか聞いたら
父に聞いてみるが…どうするかはわからないと


父もまた無責任な人だと思った

わたしは知らないのだ
父の声、顔を

父は会いたいと思わないのか



泣きまくる母

会えるかどうかわからないという祖母

会ったことのない父

それを話さず亡くなった母方の祖父母

母が話さないのなら話せないと言った親戚



ろくでもないやつばかりだなと思った