「理解」と「ほめる」

 

 長崎で好きな場所の一つ、茂木。

漁港を取り巻くように家々と漁船が並び、海鳥の鳴き声が聞こえ、潮風に吹かれていると、なんとも言えずほっとする、そんな街です。

ねこはねずみから漁網などを守ってくれる、また大漁をもたらすとも言われ、港町では大切にされてきました。しかし、最近はねこへエサをあげる人と糞尿などねこの被害に困る人の対立が、茂木でも問題になっています。

2021年7月17日に茂木地区ふれあいセンターで開催された「身近な地域の野良猫を考えるセミナー」をきっかけに「茂木地域ねこの会」が立ち上がり、中心になって活動されている、茂木校区連合自治会長の池山さん、寺下自治会長の中本さん、茂木コミュニティ連絡協議会の出口さん、茂木地区ふれあいセンター所長の岩永さんに、この2年間の取り組みをお聞きしました。ご協力に感謝いたします。

茂木の地域ねこ活動は、住民、自治会、行政がうまくつながって、お互いに助け合っている印象を持ちました。その秘訣は何でしょう? と池山会長にお聞きしたところ、「理解すること」と「ほめること」ですね、とのこと。ねこ好き(かわいがる人)対ねこ嫌い(困っている人)が互いに意見を主張するのではなく、ねこおよびねこ問題への理解を深めて、解決への道を探る、そして問題を解決するために動く住民や自治会の活動をどんなに小さなことでもほめる、なるほど簡単そうに見えて、これまで気がつかなかったキーポイントではないでしょうか。

茂木の地域ねこ活動は、ねこの避妊去勢手術が終点ではなく、地域の問題を地域で解決し、住みやすい町をめざしているように思いました。

港とねこ、茂木らしい風景がそのまま残って欲しいと思います。

活動日 2023年6月10日

(塾長 中島)