フーテンのはっちゃん

 

 ご近所に住む友だち(と勝手に思っている)のはっちゃんは、額に八の字を付けています。

年齢不詳。初めて見かけた2年ほど前には、うす汚れた毛(はっちゃんごめん)をした生粋のノラネコっぽいオスねこでしたから、りっぱなおっさんねこでしょうか。顔の表情がまるで人間のようで、なんとも味わいがあります。

恋の季節になるとミャーミャーとうるさいくらいに鳴きながら、恋の相手を見つけるためにほっつき歩き、その結果、数か月後には父親そっくりのジュニアが登場します。

 はっちゃんは昨年9月5日に見かけたのを最後に、姿を見せなくなりました。時々皮膚病になったりもしていましたから体調が悪かったかも、年もとっていたし、天国へ行ってしまったのか、と寂しく思っていたら、な、なんと今年2022年1月27日に再び登場!思わず「はっちゃん、どこに行ってたん!」と声をかけてしまいました。まったく5か月近くどこをうろついていたのやら、「男はつらいよフーテンの寅」ならぬフーテンのはっちゃん。

 地域ねこは飼い主のいないまちなかのねこを避妊去勢することによって頭数を減らし、住民の合意のもとにねこを管理しようとする考えです。ねこをめぐるトラブルが深刻で、そうせざるを得ない事情もわかります。が、はっちゃんを見ていると、ねこも恋をしたい、あちらこちらと放浪しながら次世代にわが遺伝子を残したいだろうなぁと思います。

 この春もはっちゃにそっくりの子ねこに会えるでしょうか?  

 

(塾長 中島)