少しずつ春らしくなってきましたね
。
日課のストレッチなどで体を動かしていると、暖かくなってからの感覚は、冬場のそれとは違ってほぐれやすい感じがします。体は知らぬ間に寒さをこらえようと縮こまっているのですね。少し楽になりました。あ~冬が終わってうれしい!
暖かくなってくると屋外の動物たちの行動も活発になります。暦の上で啓蟄(けいちつ、今年は3月5日)を過ぎれば冬ごもりしていた虫たちが外に出て活動を始める時期です。梅や桜など、木々も芽吹いていい季節ですね。
そんな新緑あふれる瑞々しい頃に
聞こえてくることはありませんか?
日が落ちた暗い夜、屋外ネコたちの声。
「アオ~アニャオ~…。ニャギャオ~!」
最初は人の声?と思ったり、
あれ人間の赤ちゃん泣いてる?って聞こえたり…
いやなんか違う。ギャオギャオいってる…
ケンカだ![]()
そして
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「シャー!ギャオ!ギャオ!ギャー!(鬼気迫るすごい声)」
物音 (ザッ!ザザッ!ダダダダダッ!)
声 「ギャギャー!」
物音 (ダッ!ダダダ!)
静寂。
ネコの発情は年に2回あって、交尾排卵のため交尾するまで約一か月間続きます。個体差・栄養状態・気候などにもよって左右されます。一般的には冬が終わって暖かくなる頃から発情期に入る個体が多いですね。
おそらく聞こえてくるネコたちのケンカも、発情した異性をめぐる戦い・縄張り争いなどが原因と思われます。本能的に戦わずにはいられない、ネコなりの事情があるわけです。
声を聞いている人間もハラハラしますよね。
次第にヒートアップしていく唸り声、最終的に取っ組み合いになったのであろう激しい叫び声と物音。
勝負がついた後の静けさ。
勝負ついたんだな。
ケンカが終わって胸をなでおろす一方で、負けた方が心配になる。
どうしてるかな?
致命傷を負わずに帰れただろうか
動けなくなってないだろうか
無事に生きていてくれよ。と心で祈ります。
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後日、上記の出来事とは全く別の子が飼い主さんに連れられて来院しました。
家族「センセー、この子ケンカしてねぇ。穴あいちゃった」
ネコ「……」
診てみると、パックリと傷口が開いています。傷の大きさから今回は縫合となりました。
傷が小さければ皮膚再生クリームで自己治癒を促すこともあります。
症例写真。
苦手な方はご注意ください。
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術後、飼い主さんと、
飼い主さん 「まぁケンカもほどほどにせなあかんよ」
僕 「だね。笑」
ネコ 「…。」
飼い主さん 「言うこと聞かんもん、困ったもんだわね。」
僕 「だね。本能だから仕方ないんだけどね。」
ネコ 「…。」 聞こえないフリ
などという平和なやりとりをしながら、来院時より目に元気が戻ったネコをみて安堵しながら見送ります。
お出かけネコが帰宅して、妙に静かにしていたら、ひとり痛みに耐えているかもしれません。
体の様子、よく見てあげてくださいね。


